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エヴァンゲリオン REAL 最後の女神
使徒大戦
第二章
2.03
[9/11]

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たのだ……」
「ゼーレはもともと世界経済を裏から支配してきた一族で構成されている。あの老人たちは人類に絶望したと言いつつ、その本音のところはこの世に退屈しきっていただけなのではないだろうか。およそなにもかもが自由になる世界。先史文明の遺産のおかげで、機械的な補助をつけさえすれば、驚くほどの長寿も望める。全ての願望が達成されるとすれば、飽きるだろうさ。だから全人類を巻き込んで、いまだ見ぬ未知の世界、進化というものに魅力を感じたのではないだろうか」
「迷惑な話ねー。で、義父様のほうの計画はどうなの?」
「お、おとうさま?」
 いきなりの不意打ちに目を白黒させるゲンドウを見て、冬月は思わず苦笑する。こういうところが可愛いとユイ君が言っていた部分かもしれんな、と。リツコは、無様ね、と思っていたが。
「我々の補完計画でも、知恵の実は必須だ。だがアダムに回帰するのは認められない。人は使徒の因子だけを取り込み、覚醒すればよい。とはいえ、因子を集積する課程は同じなので、ゼーレの計画に乗ったフリをすることにしたのだ」
「でも、乗ったフリをしているうちに事態が進行しすぎちゃったり、イレギュラーが発生したりで、アダムに回帰まっしぐらになっちゃったらどうするつもりだったの?」
「そうだよ、危険すぎない?」
「ふ……問題ない」
「もちろん我々もその危険は重々承知の上だ。だから三重の安全装置を考案した。一つはシンジ、おまえだ。そしてレイ」
「ボクは本来の補完計画とははずれた存在だったのか……」
「ああ、槍と神人を用いた補完計画もあったが、早期に破棄されていた。なぜなら、槍に残っていた遺伝子サンプルが不完全だったし、それが完全であったとしても神人が槍をどの程度支配下におけるかも未知数だったからな。それに神人は人類とは考え方が違うかもしれない。制御を離れる危険性があるものを、ゼーレは好まない」
「そうして計画は破棄されたが、私は必要だと考えていた。ゼーレの補完計画を止める安全装置になりえると。そのとき、ユイの妊娠が発覚したのだ……。私はユイと話しあって、その受精卵に遺伝子改造を施した。おまえが言うとおり神人の遺伝子を用いて。だが、おまえは自分が遺伝子操作で作り出された存在だと思っているようだが、それは違う……」
「そんな……ボクが作られた存在だから父さんはボクを遠ざけたんじゃないの?」
「それは違う……」
「シンジ君それは間違っているよ。碇がシンジ君を預けたのは、ゼーレに遺伝子改造を施したことを悟られないためだ。表向き、碇は利用価値のないものに興味がない男だと思われている。それを逆に利用して、シンジ君から目をそらさせようとしたのだよ。碇は君をちゃんと愛しているよ」
「……父さん」
 シンジが思わず見つめると、碇は顔をそらした。だが、その頬が赤く染まっている
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