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エヴァンゲリオン REAL 最後の女神
使徒大戦
第二章
2.03
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要家系の傍系に連なる身だったのだ。そのつながりで我々がその研究を任されることになった。もちろんユイ君やその友人たちが飛び抜けて優秀だったというのもある。その記録媒体は、いまよりも発達していた先史文明の遺産が眠っていた……」
「ちょ、ちょっと待って、そんな発達した科学文明がなんでいま、なんの痕跡もないわけ? いくら滅んだって言っても跡形もなくなるわけがないじゃない」
「それも理由は分かっている。彼らはわれわれ今の人類よりも上の階梯……簡単に言うとより進化し、精神的にも成熟していた。彼らの文明は地球を汚染しないような配慮がすみずみまで行き届いていた。文明を構成する物質は自然に帰るということを最優先にされていたのだ。そうでなければ、いまの地球のように廃棄物で地球が埋まってしまう、ひいては地球自体を消費し尽くしてしまうということが分かっていたんだろうな……。その記録媒体は、彼らが地球をあとにし、次の階梯への模索の旅に出たときに、聖地として残すこの地球に後発の知的生命、文明が発祥したときに警鐘を鳴らすために彼らが腐朽金属を用いて残していってくれたものなのだよ……」
「そんな、それにしても何も残らないなんてあるんでしょうか?」
「ミサトさんの疑問は当然だと思うけど、その先史文明の種族が僕たちとは違う種である以上、その考え方を僕たちが真の意味で理解することはできないと思います。それに何も残ってないわけじゃないんじゃないかな。オーパーツって場違いな出土品って意味だっけ? それがいくつか見つかっているじゃないですか」
「ふん……シンジにしちゃあ、ずいぶん説得力のあることを言うじゃないの」
「ま、そう言わないで。槍からの情報にもそれらしいことはあったから……。冬月さん、その記録媒体からどんなことが分かったんですか?」
「うむ、シンジ君が違う種族といったが、じつは違うと言ってもそんなに違わないということがまず分かった。現住人類と遺伝子の違いは0.11しかないのだ」
「それって、使徒やエヴァと同じってことね」
「ああ、知恵の実を宿しうる条件なのかもしれないな。その記録には、黒き月と白き月の記述があった。不完全な知恵の実しか持たない我々と違い、先史文明種族は白き月に眠る巨人から力の実の因子のみを取り出すことに成功した。それにより次の階梯に進んだのだ」
「ちょっと待って、人間の知恵の実が不完全ですって?」
 リツコが珍しく口を挟んだ。知恵が不完全、といわれて科学者としてのプライドが傷ついたらしい。
「知恵の実が完全ならば、いまの閉塞した状況に追い込まれるまでもなく、人類は悔い改めて自らの行動を自省しているだろうよ。知識はある。それを突き詰めようとする意思も。用いようとする意志も。しかし知恵は足りないとは思わないかね。人間はそれをしたらどうなるか、という想像力が決
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