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エヴァンゲリオン REAL 最後の女神
使徒大戦
第二章
2.03
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本体と同じくらいの比重を持っているからね。ちょっと概念が違うからたとえるのが難しいんだけど、奥さんとか伴侶って意味合いに近いんだと思う。アダム本体は力の実を、リリスは知恵の実を司っていたのよ」
「そこまでは父さんたちの認識と合致してるかな?」
 無言で頷くゲンドウ。
「で、補完計画ってのはなんなの? エヴァで使徒の因子を集めてアダムを復活させたかったの? でもそんなことしたらアダムによって全生命体は集積されてしまう。つまりより高次の存在であるアダムの一部になってしまうわけだけど……」
「うむ……本来の人類補完計画というのはまさにそれだ。ゼーレの老人たちにとって、世界は閉塞に向かっている滅びゆくものだった。人口増加、食糧危機、異常気象、環境破壊、そういった全てを人類は自律的に解決できないと考えたのだ。人間に対する絶望が、人間という器を捨てさせ、アダムという高次存在の一部になることで人間であるよりも高みに行こうとしたのだ。それがすなわち進化であると」
「……くっだらないわねえ」
 アスカが鼻で笑う。
「自分たちが絶望したからって全人類を巻き込んで自殺しようなんて、迷惑もいいところよ。溶けあっていっしょになったって、それはもう人間としての意味はないわ。あるいはそれが幸せと感じる人もいるのかもしれないけど、アタシはごめんだわ。現世で幸せになる努力を放棄するつもりはないわよ」
 そのための伴侶もゲッチュしたことだしね、と言葉に出さずに続ける。
「父さんもそれに賛成していたの?」
「いや……」
「シンジ君、碇は口べただし、言いにくいこともあるだろうから、私から説明させていただくよ。いいかね」
 シンジがゲンドウを見ると、重々しく頷く。まあ最初から期待はしていなかったが、それでも本来自分でしなければならないことを他人に任せるのだ、『頼む』の一言くらいあってもよいのではないだろうか。冬月の苦労が偲ばれて、申し訳なくなるシンジだった。
「すみません、よろしくお願いします」
「我々もゼーレも、最初のスタート位置は同じなのだ。現在の人類が進化の袋小路にいるという認識、その打開手段を模索するという。このままでは人類は遠からず滅ぶ。そしてそれを回避することは自律的、自然的には無理なのだよ。そしてゼーレは滅亡を回避できるのではないかという可能性を持っていた。裏死海文書という……」
「なに、それ? 死海文書なら知ってるけど」
「うむ、死海のほとりで発見されたため、カムフラージュもかねてその名を冠しているが、本来は文書ではない。先史文明の記憶媒体……いわゆるオーパーツなのだよ」
「……我々は先史文明の遺産の解読をゼーレに依頼された学者集団だったのだ、本来は……その指揮をとっていたのがユイだった」
「うむ、ユイ君の碇家はセブンシスターズと呼ばれるゼーレの主
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