アインクラッド編
過去の傷跡
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んだ。
「だあーっ! 疲れたー!」
どかっ、と盛大に音を立ててダッカーが近くにあった木の根っこの上に腰を下ろした。
〈月夜の黒猫団〉の面々は同じように地べたに座り込んでいる。
キリトもかなり疲れているが、さすがに場数が違う。そこまでの疲労はない。
それはアスカも同様なのだろう。呼気を整えて細剣を構えたままだ。
一応〈索敵スキル〉でまわりを確認。
どうやら、辺り一帯のモンスターは全て屠られたようで、光点が存在しない。
〈ジュエリータートル〉の宝石をたたき割ってから1時間以上経過して、無事に辺り一帯を取り囲んでいた20体近くのモンスターは全て片付けた。
午前中よりも洗練された連携により、思ったより短い戦闘時間だった。
「ここら一帯のモンスター全部狩ってしまったからしばらくポップする心配もないだろ」
キリトと違い〈索敵スキル〉をそこまで上げていないはずのアスカに伝えておく。
アスカが細剣をだらり、と下げる。
そのままウインドウを開いて今の戦闘で手に入ったアイテムを確認していく。
この階層のモンスターはアイテムの実入りが悪いが、さすがに6時間以上の戦闘でかなりの量になっている。
整理しながら、ふと思いついたことを全員に向かって訊ねる。
「そういえば、誰が〈ジュエリー・タートル〉倒したんだ?」
その質問を受けておずおずと手を挙げたのは、サチだった。
かなり驚くキリトに、手をブンブン振ったサチが説明する。
「いや、偶然アスカの攻撃でほんの数ドットだけHPが残ったお零れを預かっただけで・・・・」
それでも凄い。と言うよりこれはラッキーだ。
サチに被せるようにダッカーが口を開く。
「ふーん、じゃあ可能性があるってもんだなー!」
ダッカーの言葉にアスカとサチを除く全員がうんうん、と頷く。
「ん? どういうことだ?」
1人意味が分からないという様子のアスカ。
「いやー、サチのリアルラック値の高さはわたしの5・・・・いや、10倍はかたいな」
「俺なんか100倍は確実だぜ・・・・」
と、にやつきながらキリトとダッカーが口を揃えると、「そんなことないよ!!」と顔を赤くしたサチが先の倍速で手を振る。
アスカも「2人とも大げさすぎるだろ・・・・・・」と、呆れている。
だが、キリトの方はあまり大げさな表現というわけでもない。
本当にサチのリアルラック値は高いのだ。
出会った当初の頃はキリトもダッカーやケイタの話に「そりゃないだろー」と笑っていたが、何度か素材採取クエ等を手伝っているうちに疑惑は羨望へと変わった。
ネットゲーマーとしてリアルラック値の低い自負があるキリトからすればちょー羨ましい。
〈月夜の黒猫団〉男性陣も多少なりともい
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