アインクラッド編
過去の傷跡
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えた、助けを乞うような目でキリトを見ている。
その顔を視界に入れた瞬間、キリトはモンスターの大群に突貫していた。
体が、自然と動いていた。
「うっ・・・・おおぉぉっっ!!」
叫びながらタイミングも何も考えずに剣を、無茶苦茶にソードスキルを使って振り回す。
当然、そんな攻撃敵は頭を引っ込めて防御。
微々たる量しかダメージを与えられない。
それでも、キリトの動きは止まらない。
狭窄した視界の中で目の前にいるモンスターに剣を叩きつけ続ける。
しかしながら、そんな風に暴れていれば、不用意な技後硬直時間が科せられる。
「キリト、危ない!!」
サチの叫び声で、後ろから前足を振り下ろしてくる敵の姿が遅まきながら認識される。
だが、大技を連発していて動けないキリトに避ける方法などない。
その時キリトの視界に純白の騎士服が舞った。
刀身がブレるほどの速度で放たれた細剣がキリトの体に迫っていた攻撃を弾き、続けざまに顔面への攻撃をも成功させる。
「何してるんだ、キリト! 1人でどうこうできる状況じゃないだろっ!」
キリトの窮地を助けたアスカが怒鳴る。
アスカが怒る姿なんてめずらしいな、なんて頭の片隅で考えながらも口からは捻くれた返事が飛び出す。
「大丈夫だよ。あんな一撃くらってもたいしたダメージじゃない」
「そういう問題じゃないだろ。今はみんなで協力して周りの敵を倒すことが先決だ」
「わたしは1人で戦える」
アスカが言っていることは正しいのに、アスカが悪いわけではないのに、自分が間違っているのに、口からは強がりしか出てこない。
本当は1人じゃこんな数の敵倒しきれないのに。
「意地張っている場合じゃないだろ・・・・・・どうしたんだ、キリト?」
キリトの様子がいつもと違うことにアスカも気づいたのだろう、そう訊ねてくる。
〈月夜の黒猫団〉の面々もアスカに遅れながらもやって来た。
心配そうにサチも駆け寄ってくる。
そこで、ようやくキリトも心を落ち着けることができた。
狭かった視界が広がる。
「いや・・・・・・大丈夫。変なこと言ってゴメン」
「今は謝らなくていい。みんなで協力してこいつらを倒すのが先決だ」
「・・・・・・分かった」
頭を冷やしながら冷静に状況把握を行う。
〈索敵スキル〉範囲内には光点が20ほど。
かなりの大群だが、全員が落ち着けば何とかなる数だ。
「さっきまでと同じように俺たち5人がモンスターのタゲを取る。キリトとサチの2人は取り損ねた敵を相手してくれ」
いつもボス戦で的確に指示を出しているだけあって、こんな状況でも淀みなく指示を出すアスカ。
全員が頷いて、駆けた。
キリトもサチを引き連れて先攻する形でモンスターの大群へと切り込
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