いざ、京都神鳴流!
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てやって来た。
「んっ?一体二人して如何した?」
冬凰も思考の世界から戻って来て二人に目をやる。
青年は青山詠春…青山分家の長男であったがその才能と長・木乃実との婚約をさせる為に青山宗家へ養子となる。剣士としては、大変優秀であり既に免許皆伝の腕前である。
しかし、実戦経験の少なさと真面目過ぎる性格による柔軟性の無さが欠点と言われているが、冬凰は数年すれば落ち着きが増し跡取りとしては問題無いと考えている。
また関西呪術協会の長・近衛木乃実とは良好な関係を築いており、あと数年で婚約及び婚姻といった流れになることが予想されている。
それによる嫉みや嫉妬が向けられているが冬凰自身は気にしていない。
何故なら関西呪術協会の長・木乃実の夫になる者ならば必ず嫉みや嫉妬のそしりは受けるであろうと言うのは、予め皆が考えていた事である為に想定内の事であった。
最も詠春は、真面目過ぎる性格の為か周囲の謗りや嘲りに対し真面目に考えてしまい、冬凰は頭を抱えている。
そして詠春の後ろに控えたる小さな女の子の名前は、青山 鶴子…同じく青山宗家・冬凰の娘にして詠春の義理の妹であり、少女の可愛さは有るが将来は美女と言われるであろうと言った容姿である。
鶴子が京都神鳴流の修行を開始したのは少し前からであるが、既に同世代の門下生に敵はおらず、少し年上の者でなければまともに撃ち合う事も出来なかった。
剣士としての才能ならば詠春よりも高く、京都神鳴流数百年の歴史の中でも屈指の才能を持ち、詠春が木乃実と結婚したら京都神鳴流は鶴子が継ぐ事が既に冬凰の中では考えられている。
また鶴子は、陣とは同世代である為に同世代で自分と強い者は勿論のこと同程度の実力者に会った事が無い。そんな鶴子もまた少々天狗になっている様であるが、陣との出会いで変わって欲しいと冬凰は願っている。
(だが……鶴子に手を出したら…斬る!)
「義父上、なぜ急にそんな殺気を出すんですか!?…周りの者も驚いております故…何があったか分かりませんが、気をつけて下さい。」
再び殺気を出した父親に驚いた詠春は大きな声で嗜めた。
「んっああ…スマン。それで…何の話だったか?」
話しを聞いてなかったのかと二人は呆れていた。
「父上…先程も言いましたが、私は今度の休みを使って奈良の柳生新陰流への出稽古がありますので御陵との稽古が出来ませんがよろしいでしょうか?」
「あっ!そうであったな…うむ、そちらが先約であったしワシも哲心から話しがあった時はすっかり忘れてしまったわい。詠春よ、済まぬが柳生には呉々も宜しく伝えてくれ。」
「ハイ!元々一人で行く予定でしたので大丈夫です。
しかし、御陵の麒麟児には会って
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