暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインー不幸を呼ぶ者ー
仮止め

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人混みを抜けるとアインクラッドの外壁が見えてきた。
この巨大な城と、そのすぐ外の蒼空を隔てるのは胸くらいまでしかない石造りの壁。
その頼りない壁にナギサは前のめりに寄りかかる。
「あんまし乗り出すと危ないぞ」
言いつつ俺も彼女の隣に立つ
夕日に染まったナギサのあどけない顔に不覚にも、かわいいなぁ、などと考えてしまい、俺は慌てて顔を背ける。

おもむろにナギサが口を開く。
「迷惑かけちゃったね。何とかする、なんて大見得切った癖に」
さっきの事だろう
自分のせいで俺がさらなる嫌われものになったことに責任を感じているのか。
いつになく神妙な顔をしている。
だが。
「何を今更。迷惑ってんならパーティー組まされた時点で大迷惑なんだっつーの」
ふてくされた様な声を出す俺の方をナギサが向く。
何となく照れくさくなって顔を背け、続ける。
「けど、勝手についてくるってんなら無理には止めねー・・・よ」
するとナギサはパッと心底嬉しそうな笑みを浮かべる。
「ありがとっ!」
「何がだよ」
「色々!」
そう言って彼女は外壁から体をはなす。
「それじゃ、お店行こっ」
彼女の後ろを歩く俺は、いつの間にか自分が微笑んでいたことに気がついた
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