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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
イエローギルド
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がし、髪の毛を引っ張られ、レンは無理やりに顔を持ち上げられる。
「……お前は何様だ?」
持ち上げられたレンの瞳を覗き込んできた要注意プレイヤー達の首領のそれは、驚くほど冷たく、暗かった。
思わず、レンの背に冷たいものが走る。
必死に押し隠したが、表情に出たのだろうか。満足そうな表情でフェイバルはレンの髪を離す。
地面にどさっと落とされたレンは、顔だけ動かして上を見る。
フェイバルは、相変わらずくすくす笑いながら手の中で細い《針》を弄んでいる。
そう、それが原初の六人が一人、フェイバルの武器。
三番目に発見されたユニークスキル《
投針
(
とうしん
)
》。
一番目は、原初の六人ヴォルティス卿の《戦神斧》。
二番目は、原初の六人ヒースクリフの《神聖剣》。
四番目が、原初の六人エンケイの《
王槌
(
おうつい
)
》。
五番目が、原初の六人エクレアの《
飼い馴らし
(
テイミング
)
》。
六番目が、レンの《
鋼糸
(
ワイヤー
)
》。
七番目は、シゲクニの《
自在剣
(
マルチソード
)
》。
八番目は、テオドラの《
戦舞
(
バトルダンス
)
》。
即応性と数量に優れ、決定打に欠ける面もあるが、フェイバルの手に渡ると立派な凶器になる。
痛みに顔をしかめながら、レンは自分の膝小僧を見る。そこには、さながらハリセンボンのように針が突き刺さっていた。しかも尋常じゃない鋭い痛みからして、しっかり心意が働いているらしい。
フェイバルは、くすくす笑いながらレンを見る。
「口には気を付けた方がいいよ?レン君。でないと――」
にィーっと、その口元が歪んだ、気がした。
「長生きできないよ?」
その言葉を最後に、黄色スーツピエロはよっこらせと立ち上がると、背後に控えていた異様な集団も全く同じタイミングで動く。
それは異様な光景だった。
彼らは皆一様に表情がないのに、一部の隙もなく完璧に動作が一致しているのだ。これが異様と言わずして、何が異様と言えよう。
そしてフェイバルは手をひらひらと後ろ手に振りながら、その集団を率いて闇に消えていった。
それをただ見送っていることしかできなかったレンは、自分の意識がどんどんブラックアウトしていくのを感じていた。
──────────────────────────────────
男が笑っていた。
高らかに、さも面白そうに笑っていた。
そこは真っ白な空間。
そこに無限とも言える数のウインドウが渦を巻き、その中心に男は立っていた。
いや、浮かんでいた、と言うのが正しいかもしれない。
だってそこには地面などないのだから。底などはないのだから。
そのウインドウ群の中央で、
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