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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第三十七話    『つかの間の平穏』
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に繋がっている。
そうして今日の修行は終わりに近づき始めた時にふとアルフがこんなことを言い出した。

「…シホってさ、片方ずつだけ無理に制御せずに両方とも受け入れて魔力を扱ったほうがいいんじゃないのかい?」
『え?』

全員から視線を浴びてアルフは「うっ…」と後ずさりをするが別に悪いことは言っていないと自身に言い聞かせて、

「もっとさ、柔軟に考えてやったらどうってこと。片方だけ制御してもどの道シホのデバイス―――アンリミテッド・エアだっけ…?
そいつは魔術回路とリンカーコアの両方に繋がっているんだろ。だったら両方とも同時に操作したら効率もいいし、手間も省けるんじゃないかな?」
「…そっか。そういえば魔術も起動すればこちらの魔法に変換されるようになっているんだっけ。なら…」

シホはなにか思い至ったのかおもむろに立ち上がり、

「――同調開始(トレース・オン)

シホは目を瞑って神経を集中し魔術回路を開き体の内部、とくに魔力が通る通路を解析していく。
そしてしばらく経過すると、

「…見つけた」
『えっ?』
「魔術回路に細く、だけど魔力が通る別のラインを発見。さらに解析を継続…」

まるでまわりが見えていないかのようにシホは黙々と解析を進めている。
その光景を見て一同は、

「…シホちゃんって自分の体の中も解析魔術で色々調べられるから便利だよねー」
「私たちも出来たら異常とか違和感とかすぐにわかるのにね」
「いえ、もし出来たとしてもやめておいた方でいいですよ?
お姉様はそういう体質に良くも悪くも恵まれていますから普通に解析できていますが、お姉様が言うにはこれを普通の魔術師が行ったら容量オーバーで脳がこう、パンッ! となるらしいです」

フィアットの大げさなリアクションも含めた説明に一同は顔を青くした。
そしてそれだけシホは事解析に関してはある意味の才能かもしれない。

「…確かに事細かに調べ上げるとなると一つのパソコンではメモリーが持ちませんからね。脳も容量の限界がありますから当然ですね」
「はい。でもお姉様はそれで何度か九死に一生を得たと言っていましたね。
以前に爆弾魔の仕掛けた高度な時限爆弾に遭遇してすぐさま解析をかけて瞬時に導線を切断して助かったとかという話も聞きましたし…。
他にも罠だらけの敵地に侵入した際、ビル一つまるごと解析してしまって悠々と相手を確保したとかなんとか…やっぱりお姉様はすごいです!」
『………』

その出鱈目な話に誰もが言葉を失うのは必然とも言える。
それは、シホが本気になれば管理局内のセキュリティーすらも次々と解除できてしまいかねないほど脅威だからだ。

「改めましてシホさんが敵ではなかったと深く、それはもう深く喜ぶところでしょうね」


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