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故郷は青き星
第二十七話
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てた勤め人達にとっては夢のような待遇であるが、他にも【敵性体】を撃墜して得たスコアや、部隊を率いて得た戦果により得られる報酬はとてつもなく大きかった。
 チーム戦闘になれたプレイヤーにとっては──下級指揮官を得るのが目的のため、参加者は個人戦技よりもチーム戦の技量を重視して選ばれている──どう転んでも、LCCではない国内航空会社の国際線機長の給与水準を超えるだろう。

 勿論、社会人ではない大学生や高校生の参加者達は、拘束時間が少なくなる分は給与は下がるが、待遇自体は同等だった。
「ナノマシーンの投与による記憶力や計算能力の向上というのも魅力だな」
 短期間に指揮官としての訓練を施すためには、ナノマシーンの投与が必須であった。勿論ナノマシーンはパイロット強化用ナノマシーンの様に人体に悪影響を及ぼすものではなく、フルント星を始めとする連盟加盟国ではごく一般的に使われているもので、種族にもよるが大体脳の成長が収まる5歳児頃に投与されるものだった。
 勿論、地球の連盟への加盟が実現すれば、拒否されない限り全ての地球人に投与される予定だが、数年といえどもアドバンテージを得られるのは大きい。
 特に、大学受験を控えた高校生などは「これでゲーム止めずに受験を乗り越えられる!」と喜んでいた。
 もっとも、連盟からの技術移転により、理系分野全般は勿論の事だが、文系分野においても、より進んだ経済システムの影響を受け経済学なども大きく変化を余儀なくされ、法律も国連権限の強化により各国の国内法をすり合わせて世界共通の法律が導入される計画が既に進んでいるなど、歴史や文学、芸術などの一部の研究分野を除けば、地球上の多くの学問にとって変革の時が迫っていた。
 つまり、いずれ地球の教育制度も連盟加盟国と同等レベルの教育制度へと移行する事となれば、従来の教育制度で修めた学歴は余り意味がなくなるので、本当の意味で学歴が必要とされる分野の仕事に就く者は一から教育を受けなおす必要があるのだが……
「それに、この話を受けなかった場合のデメリットがあるはず」
「デメリットって?」
 梅木が山田に尋ねる。
「今回の件は極秘のはず。にも関わらず私達が知らされた情報が一般に公開されるのはまだかなり先のモノ」
「そうか、進んで協力しない場合は口封じがあるということか……」
「当然」
「口封じって、まさか、こ、こ、ころ」
「そんな物騒なことはしないはず。まずは口止め、そして監視をつけ、ネットなどの通信も検閲されるだろう。それとは別に、予め各メディアに対しての情報統制は既に終わってると考えるべき。もし情報漏洩が起きても世論を誘導して否定するというより、都市伝説みたいな扱いにして信憑性を落とす。そして情報源を確定して漏洩者を拘束。という流れになると思う」
 だが山田の予想は大き
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