第百三十一話 エツィーラの真意
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だ。エツィーラも言う。
「けれどね」
「けれど?」
「けれどっていうと」
「何なんだよ」
「何があるのよ」
「それだけじゃないのさ」
こう言うのだったロンド=ベルの面々を馬鹿にしきった顔で。
「残念だけれどね」
「宇宙怪獣だけじゃない」
「っていうと一体何があるんだ」
「今度は」
「まさか」
バランはエツィーラを見据えて問うた。
「貴様が我等と戦うというのか」
「そうさ。アポカリュプシスとしてね」
その為だというのだ。
「あんた達には滅んでもらうよ」
「笑止!」
バランは即座にこう言い切った。
「貴様にとっては残念だがそうはならん!」
「死ぬつもりはないんだね」
「無論!貴様が立ちはだかるというのならだ!」
如何にもバランらしくだ。高らかに言う。
「貴様を倒しそのうえで戻るだけだ!」
「無駄だね」
エツィーラはバランの今の言葉を一笑に伏した。
「そんなことはね」
「無駄だと!?」
「そう、無理だね」
こう言うのだった。
「最早ね」
「技術的にはできますがね」
シュウはここでこう言ってみせた。
「ネオ=グランゾンの力なら」
「そう、技術的にはね」
エツィーラはそのことはいいというのだった。
「けれどそれでもね」
「できないと仰るのですね」
「ああ、そうさ」
シュウにも傲然と返す。
「絶対に無理だね」
「それは何故だ!」
バランは怒った声で彼女に問うた。
「言え!言わぬというのならだ!」
「相変わらず単純だね」
「単純で結構!」
バランも負けてはいない。
「少なくとも貴様の様に堕ちたわけではないわ!」
「言うもんだね。あたしが堕落したってのかい」
「そうよ、どう見てもそうではないか」
「生憎だが違うよ」
「ではどう違うというのだ」
「真実を知ったのさ」
それでだとだ。バランに話すのである。
「それだけだよ」
「真実だと!?」
「そうさ、真実をさ」
「あれか」
バランは己の知識の中で察してだ。こう言うのだった。
「ルアフのことか」
「あの坊やのことかい」
「そしてガンエデンのことをか」
「あんなのは些細なことだよ」
「些細だと!?」
「そうさ。全くね」
それを聞いてだ。バランは今度はこう言った。
「ではアポカリュプシスか」
「だと言えばどうするんだい?」
「それはもう終わった筈だ」
あくまでだ。バランはこう考えているのだった。
「宇宙怪獣は消えた。そうなってはだ」
「それと隕石雨だな」
「どちらもなくなった。それで何故そう言うのだ」
「じゃあ聞くよ」
レツィーラはそのバランに問うた。
「宇宙怪獣は突然出て来たね」
「だからそれがだ」
「アポカリュプシスの意志によってだね」
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