第百二十八話 最後の戦いへ
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よね」
「はい、僕達だけだとです」
こうちずるにも話すのだった。
「やはり。今頃はです」
「死んでたわよね」
「残念ですが」
その通りだとだ。小介はまたちずるに話す。
「あれだけの激しい戦いが続いていましたから」
「そうだよな。コンバトラーだけだとな」
豹馬もここで言う。
「無理だったな」
「敵があまりにも強過ぎました」
それはどうしてか。小介がまた話す。
「しかも多かったですから」
「そうだな。それができたのはな」
「はい、皆さんがいてくれたからこそ」
「そして俺達が五人だったからだな」
「若し僕達が五人でなかったら」
「負けてたな」
「はい、死んでいました」
小介の言葉はシビアだった。
「間違いなくです」
「それを思うとよかったわね」
ちずるも言う。
「私達が五人で。それで皆がいてくれて」
「そうしてですね」
「私にとってはね」
豹馬も見てだ。そのうえでの言葉だった。
「やっぱりね」
「何だ?どうしたんだよ」
「ううん、何ていうかね」
言葉がだ。口ごもったものになっていた。
「あれなのよ」
「あれって何だよ」
「だから。ねえ豹馬」
彼にだ。直接言うのだった。
「この戦いが終わったらね」
「この戦いが?」
「そうよ。あんたがよかったらだけれど」
そんなちずるをだ。仲間達はだ。
彼女の横から後ろからだ。必死に応援して言っていた。
「ちずるさん、そのままだ」
「もう一気にいっちゃって」
「そこでもう言えばね」
「ちずるさんの勝ちだから」
だがちずるの耳には入らない。彼女は必死だった。
その必死なままだ。豹馬にさらに言うのである。
「二人で」
「二人で?」
「テーマパークでも行かない?」
必死の努力でだ。ここまで言った。
「テーマパークにね。どう?」
「ああ、テーマパークな」
「そうよ。どうかしら」
「それじゃあな」
豹馬の返答はというとであった。
静かにだ。こう返してきた。
「行くか」
「それ本当よね」
「あれ、俺と行きたいんだよな」
全く気付いていない口調だがそれでも言った彼だった。
「そうだよな」
「そうよ。あんたさえよかったらだけれど」
「じゃあ行こうな。戦いの後でな」
「約束よ」
ちずるは必死の顔で念押しをしてきた。
「絶対にだからね」
「わかってるって。けれどな」
「けれど。何よ」
「何かちずる今滅茶苦茶必死じゃないか?」
怪訝になっている顔が何よりの証拠だった。
「何でそうなってるんだよ」
「そ、それは」
「何でか訳わからないけれどな」
こう言うとだった。マサキも唖然だった。
「あれで気付かない奴いるのかよ」
「うわ、マサキまで言うのね」
「これは凄いわね」
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