第百二十四話 憎しみの環の中で
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るのだった。
「決して!」
「その元はだ!」
だがだ。ハルルは妹の話をあくまで聞こうとしない。
そのうえでだ。今度はこう言うのだった。
「その元は御前が生んだのだ!」
「おわかりになりませんか!」
「まだ言うのか!」
「憎しみは滅びの道です!」
「それはだ!」
どうするか。ハルルの考えはこうしたものだった。
「ロゴ=ダウの異星人を倒せば済むことだ!」
「あくまでそう仰るのですね」
姉の頑なな心を見てだ。妹もだ。
遂に覚悟を決めてだ。こう告げるのだった。
「それならばです」
「どうするつもりだ」
「私は姉さんを殺し」
その覚悟をだ。ハルル自身に告げるのだった。
「そして赤ちゃんを産みます!」
「カララさん・・・・・・」
「貴女そこまで」
「覚悟したのかよ」
「何て強い覚悟なんだ」
それはだ。強いだけではなかった。
「そして悲しい覚悟なんだ」
「しかしそれでもなんですね」
「あえてその覚悟を選ばれるんですね」
「そうだと」
「はい」
仲間達にもだ。カララは毅然として答えた。そしてだった。
再びだハルルに対して言うのだった。
「ロゴ=ダウの異星人ベス=ジョーダンの」
「その男の課」
「はい、その子を産みます!」
「やってみるがいい!」
ハルルはまだ退かない。
「裏切り者の女とそれと通じる異星人なぞにやられるか!」
「はい、司令!」
「ならば我等もです!」
「ここで倒しましょう!」
「異星人達を!」
バッフクラン軍の提督達も続く。戦いは避けられなかった。
その中でだ。サンドマンはだ。
レイヴンとメイド達にだ。こう問うのだった。
「彗星の衝突までどれ位だ」
「七分です」
「それまでです」
メイド達がすぐに答える。
「七分以内に何とかしないと」
「私達は全員」
「わかった。それではだ」
そこまで聞いてだ。サンドマンは言った。
「諸君、総員出撃だ!」
「了解!」
「七分だな!」
「そう、七分だ」
サンドマンの言葉もだ。鋭く強いものになっている。
「七分以内に敵の包囲網を壊滅させだ」
「この宙域を離脱する」
「そうするんですね」
「そしてここで」
「カララさんのお姉さんも」
「業だ」
レイヴンが言った。
「彼女は業に捉われてしまっている」
「ああなっては終わりだ」
ハマーンも鋭い目で話す。
「あの女はその中に飲み込まれてします」
「そうなるしかないのか」
「これが憎しみの環ならば」
カララはソロシップの艦橋に出てハルルの旗艦を見据えて呟く。
「ここでそれを断ち切ります!」
「来い、ロゴ=ダウの異星人達!」
ハルルの目が憎しみで燃えている。
「そしてカララ!」
「姉さんのその憎しみを!」
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