第百十六話 壊れゆく人形達
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りだっ!!」
「ああああ・・・・・・」
「これで終わったのだ」
シヴァーはルアフが事切れるのを見届けてから言った。
「今からバルマーは過去からの支配を脱しだ」
「そうしてなのですね」
「新たな歴史を歩むのだ」
「ですが貴方は」
「私は。何だというのだ」
「それをするにはあまりにも」
アルマナはさらに言おうとする。しかしだ。
そこにだ。キャリコとスペクトラが来たのだ。彼等は素顔を晒している。
そのうえでシヴァーの前に控えだ。こう言うのだった。
「閣下」
「ロンド=ベルが来ております」
「そうか。ルアフを追ってだな」
それがどうしてか。シヴァーはすぐに察して述べた。
「それによってだな」
「おそらくは」
「それでかと」
「わかった。それではだ」
「迎撃の準備は既に完了しております」
「何時でも」
二人はすぐにシヴァーに答えた。
「後は閣下の御命令だけです」
「それだけであります」
「キャリコ戦爵、スペクトラ戦爵」
アルマナは二人の素顔を見てだ。その目を驚かせていた。
二人もそれに気付いてだ。彼女に言うのだった。
「姫、どうされました?」
「我々のことでしょうか」
「今の貴方達は」
「そうでしょう。今の私達はです」
「素顔なのですから」
こう返す二人だった。
「驚かれるのも無理はありませんね」
「それは」
「申し訳ありません」
アルマナは彼等に謝罪の言葉を述べた。
「それは」
「いえ、構いません」
「御気になさらずに」
二人はそのアルマナに穏やかに返した。
「普段がそうでしたから」
「それも無理はありません」
「左様ですか」
「キャリコ、スペクトラ」
シヴァーはその二人に指示を出した。
「御前達はエイスと共に奴等を迎え撃て」
「バルシェムの全軍を率いて」
「そのうえで、ですね」
「そうだ。そうして戦うのだ」
そうしろというのである。
「私にはまだ時間が必要だ」
「了解しました」
「それでは」
二人はこう応えた。そしてすぐにだった。
「私としましてもあの軍にはです」
「私もです」
二人は同時に言うのだった。
「存在を許せぬ者がおりますので」
「戦わせて頂きます」
「存分に戦うがいい」
シヴァーの彼等への言葉はハザルとは違っていた。
「戦い、勝利してだ」
「はい」
「そのうえで、ですね」
「そうだ。己の存在を確立せよ」
こう告げるのだった。
「よいな」
「有り難き御言葉」
「それではその様に」
一礼してからだ。二人はシヴァーの前から消えた。その二人を見送りながらだ。
アルマナはだ。シヴァーを見て言うのだった。
「貴方は彼等を」
「人形に意味を与えることは生命を吹き込むことと同じだ」
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