第百十六話 壊れゆく人形達
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か」
「そうだ。この国に巣食う偽の神はだ」
シヴァーは己からそのことを話す。
「我が手によって滅んだ」
「己の主をか」
「自分達の支配者を」
「殺したってのか」
「何を驚くことがある」
シヴァーは声をあげるロンド=ベルの面々に平然として告げた。
「諸君等も知っていた筈だ」
「ああ、手前があの霊帝を倒そうとしていたことはな」
「それは知っていたぜ」
「しかし」
「その手でか」
「自分達の神を」
彼等が言うのはこのことだった。
「あの男は帝国の民にとって神だった筈だ」
「その威容の前にバルマーの者達は」
どうなっていたか。そのことを話していく。
「心身の自由を奪われるまで萎縮していた」
「それなのに」
「自分の手で」
「奴は神などではない」
このことをまた言うシヴァーだった。
「ただの人間だ」
「それはわかっていたが」
「それでもか」
「あいつを」
「只のガンエデンの神子として」
シヴァーの話は続く。
「数百年の時を生きていたに過ぎん」
「それがあいつだったのか」
「霊帝ルアフ」
「そうした男だったのか」
「神の名の下に臣民の生命を弄んだ偽神」
まさにだ。それだというのだ。
「それには当然の報いだ。違うか」
「そうか、死んだのか」
「地球とバルマーの因縁だった二つのガンエデン」
「その両方が」
「遂に」
「だとすると」
そのことからだ。出される結論は。
「戦いは終わりなんだな」
「完全に」
「地球とバルマーの」
「それが」
「いえ、それはどうでしょうか」
しかしだ。ここでシュウが言うのだった。
「では何故彼等は私達と戦ったのでしょうか」
「ゴラー=ゴラムね」
「はい、彼等です」
シュウはセニアの問いにすぐに答えた。
「何故彼等は私達と最後まで戦ったのでしょうか。それに」
「それに?」
「アルマナ姫は今何処にいるのでしょうか」
シュウはそのことも話すのだった。
「あの方は一体何処に」
「そういえばだ」
ルリアがここで言う。
「姫様はこの聖堂に向かわれたが」
「ということは」
「まさか、あいつが」
「今自分の手に持っている!?」
「そういうことか?」
「バルマーの巫女アルマナ=ディクヴァー」
シヴァーもそのことについて話す。
「彼女はこれからのバルマーの覇道の為に力になってもらう」
「おい、待て!」
「じゃあ手前アルマナさんの力でか!」
「銀河を征服するっていうのか!」
「今の言葉はそうだな!」
「そう考えていいんだな!」
「その通りだ」
シヴァーは彼等の問いに傲然として答えた。
「バルマーの栄光の歴史はだ」
「手前がか」
「創るっていうのかよ」
「私の手によって新たに創られるのだ」
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