第百十四話 アルマナの勇気
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有無を言わさぬ口調だった。まさにだ。
「まだ言いたいことがあるのかい?」
「それは」
「話は聞いたよ」
やはりだ。有無を言わせないルアフだった。
「幾ら君が神体ズフィルードに捧げられる身でも」
「は、はい・・・・・・」
「限度というものがあるんだ。それとも」
「それとも」
「今すぐ肉体を捨て」
そしてだというのだ。
「その魂と念を永遠にズフィルードに納めるかい?」
「陛下、私に」
「君に?」
「真実を確かめる機会を」
「奇妙なことを言うね」
ルアフはアルマナを一瞥してから述べた。
「僕の言葉に疑いを持ったのかい?」
「いえ、それは」
バルマーにおいて霊帝は絶対の存在である。その筈がなかった。
それで下がろうとする。しかしだ。
そのアルマナにだ。ルアフはこう告げたのである。
「いいだろう」
「宜しいとは」
「その神をも恐れぬ君の君の勇気を買おう」
こうアルマナに告げるのである。
「ズフィルードの裁きを下す前に」
「その前に」
「君に一度だけチャンスを与えよう」
「陛下・・・・・・」
「アルマナ、やってみるんだ」
アルマナに再び告げてみせる。
「いいね」
「有り難うございます・・・・・・」
アルマナは安堵し、そのうえで喜びに満ちた顔で述べた。だが。
ルアフはこの時こう考えていた。その考えは。
「シヴァーのこともある」
まずは彼のことを考えていた。
「僕の力を見せる必要があるようだ」
そしてだ。こう呟くのだった。
「創世の神ズフィルード」
まさにだ。彼そのものである。
「ゲペル=ガンエデンの力を」
彼は何かを考えていた。そしてそのうえでだ。ロンド=ベルを待ち受けるのだった。
ロンド=ベルは遂に帝都のすぐ傍まで達していた。フォッカーが映像を見ながら言う。
「人の気配がしないな」
「確かに」
「妙なことです」
アイナとノリスがそれを見て言う。
「そういえばバルマーの市民の人達は既に」
「この星から退避しているとか」
「はい、そうです」
彼等にだ。ルリアが答えた。
「シヴァーの手によってです」
「我々が帝都の市民を戦闘に巻き込むだからだろうか」
大文字はこう述べた。
「それを考慮してか」
「いえ、それでしたら」
だが、だった。ルリアはこう答えた。
「帝都とその近辺の臣民だけを避難させれば済みます」
「そうだね。それはね」
ユウナがルリアのその言葉に頷いた。
「労力も少なく済むね」
「ですがシヴァーはほぼ全ての臣民をです」
どうしたかというのだ。
「他の星へ避難させたのです」
「何の為だ」
ランティスが言う。
「そこまでしたのは」
「セフィーロの時と似ておるか」
クリフは自分達のことを
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