第百九話 二つの星
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う」
「何ということだ」
「確かに陛下は奴等を銀河に誘導し」
今度は霊帝だった。
「邪魔者達を排除されようとしたが」
「毒を以て毒を制す」
「その考えでな。しかしだ」
「想像以上だな」
「そうだ、その力はだ」
これは彼等にとってだ。まさにそうだったのだ。
「そして今度は我々だ」
「奴等の力は危険だったか」
ジュデッカ=ゴッツォはやや険しい顔になって述べた。
「利用するには」
「やもな。奴等の中にはだ」
「他の世界の存在も多いな」
「そうだ。しかしだ」
「我がバルマーは」
ジュデッカ=ゴッツォが言うのだった。
「外敵の進入は一度たりとも許してはいない」
「だからこそだ。卿にはだ」
「わかっている。このジュデッカ=ゴッツォ」
己の名を名乗っての言葉だった。
「軍務尚書としてだ」
「防いでくれるな」
「何人たりとも陛下の治めるこの聖地」
そここそはなのだった。
「ゼ=バルマリィに指一本触れさせぬ」
「では。尚書よ」
「うむ」
御互いに言い合う。
「頼んだぞ」
「それではだ」
「そしてだ」
さらにだとだ。ここで話すエツィーラだった。
「本星の護りはだ」
「近衛軍がだな」
「バラン殿がされる」
その彼がだというのだ。
「安心されよ」
「そうだな。ところでだ」
「ところで。どうしたというのだ」
「そのバラン殿だが」
ジュデッカ=ゴッツォはやや怪訝な顔で彼の名前を出す。
「近頃どうされたのだ」
「何かあったのか、バラン殿に」
「様子がおかしくないか」
こうエツィーラに問うのだった。
「どうもな」
「それは気のせいではないのか?」
「そうだろうか」
「そうだ、おかしいところはない」
ジュデッカ=ゴッツォに対して述べる。
「私の見たところはな」
「卿は医術にも秀でているが」
「その私が言うのだ」
「ならば問題はないか」
「私を信じて欲しい」
高潔な祭司長としての言葉だった。
「是非な」
「卿を疑うことはない」
それはジュデッカ=ゴッツォも言い切る。
「帝国の祭司長である卿はな」
「済まないな」
「いい。ではだ」
「健闘を祈る」
こうしてだった。ジュデッカ=ゴッツォは出撃した。だが彼は気付いていなかった。彼が背を向けたエツィーラの顔はだ。彼の知らない顔を浮かべていることに。
彼等は共に出撃した。そうしてだった。
ロンド=ベルの前にだ。大軍と共に現れたのだった。
その彼等を見てだ。ヴィレッタが言った。
「あれは」
「大尉、知っているのですか」
「あれはネビーイームだ」
こうライに告げる。
「バルマー本星を護る十二の衛星の一つだ」
「それが今ここに」
「それを移動させるとはだ」
「何だよ、それ
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