第百九話 二つの星
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イントを撃つのだった。
全員外さなかった。そのポイントを貫いたのだ。
それを受けてだ。ネビーイームは。
動きを完全に止めた。その頃にはだ。
バルマー軍の数はだ。半数まで減っていた。それを見てだ。
ジュデッカ=ゴッツォは忌々しげに言うのだった。
「くっ、ネビーイームがか」
「尚書、いいだろうか」
ここでエツィーラが彼の傍に現れた。
「折角のところだが」
「どうしたのだ?」
「宰相殿から撤退命令が出た」
こう彼に告げた。
「ネビーイームが破壊されたならばだ」
「撤退せよというのか」
「そうだ、わかっただろうか」
「わかった」
軍人としてだ。命令に頷く彼だった。
「それではな」
「うむ、撤退するとしよう」
「地球人達よ」
彼はロンド=ベルの面々に対して告げた。
「ここは汝等の勝ちにしておこう」
「撤退するってのかよ」
「そうするってのかよ」
「余はまた汝等の前に来る」
そのことを告げての言葉だった。
「では。それまでだ」
「帰らせてもらおう」
エツィーラも告げる。
「これでな」
「あの女、一体」
サンドマンがそのエツィーラを見て呟く。
「何を考えている」
「少なくともです」
レイヴンがサンドマンに対して話す。
「よからぬことを考えているのはです」
「それは間違いないか」
「そう思います」
こう話すのだった。
「この銀河にとってです」
「そうだな。若しかすると」
どうかとだ。サンドマンはさらに話す。
「バルマー帝国の思惑とあの女の思惑はだ」
「違いますか」
「そうかも知れないな」
「何かあいつってあれだな」
ここで話したのは豹馬だった。
「かなり露骨に企んでるよな」
「そうね。含むところありなのはね」
「バレバレやな」
ちずると十三も話す。
「それが何かはわからないけれど」
「碌なものやないで」
「そうですね。ただ戦いはこれで終わりです」
「ネビーイームも去ったですたい」
小介と大作が話す。
「整備と補給の後で」
「また進撃たい」
「少なくともあれだけのダメージを与えたんだ。ネビーイームもな」
「暫くは使えないじゃろうな」
一太郎と兵左衛門はそのネビーイームについて話す。
「次はあのジュデッカ=ゴッツォの軍と決戦だ」
「さて、どう戦い抜くかのう」
こんな話をしてであった。
ロンド=ベルのバルマー帝国本軍との最初の戦いは終わった。だがこれはだ。さらなる激しい戦いの第一幕でしかなかった。
第百九話 完
2011・3・27
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