死神
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「あの<紅月>、<死神>だな」
立ち去ろうとする俺の背に、アレスの鉄より冷たい言葉が突き刺さる。
無言の俺に確信を得たのだろう彼は、今度はナギサに矛先を向ける。
「そいつは何十人も見殺しにしてる奴だぞ!<おせっかい>はそんな奴にも情けをかけるのか!」
「私は・・・」
ナギサはうつむき、肩を震わせていた。
実感し、迷っているのだろう。
俺と組めば、いくらアイドル的存在の彼女でも、周囲からの嫌悪の目は避けられない。
死の可能性もある。
まあ、これ以上誰かに迷惑をかけたくないのも確かだし、自ら離れてくれるなら好都合だ
そう思いつつも、どこかでもの寂しく感じている自分に俺は驚く。
だが。
おもむろに先刻俺に言葉を遮られた少女が口を開いた。
「自信を持って進みなさいよ。あんたの道は<おせっかい>でしょ?」
その声にナギサはゆっくりと顔を上げる
その顔になんとなくグッときてしまったのは黙っておこう。
「ありがと、マリナ」
少女に礼を言い、
「私は、今日からこの人ー<死神>と行動します!」
キッパリと宣言
スタスタと歩き出す彼女に俺はついていく。
何だか一緒に行動するのが確定してしまった様だが、気にしないことにした。
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