第十二話「アーシアちゃんがお引越しです」
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る者のイメージに合うな。
そのため、訓練も日中に行った方が精神的にも鍛えられると部長は仰る。
始めは地獄のような筋肉痛に苛悩まされたが、成れというのは恐ろしいもので今では何だかんだとこなせるようになってきている。自分でも日々、成長していることが分かるし、体育の時間なんかはそれが顕著だ。力をセーブしないと信じられない記録を叩きだしてしまうもんな。いやはや、人間と悪魔の体の構造の違いを様々と思い知らされたよ。
「はぁ……はぁ……」
漸くゴールである公園に辿り着くことが出来た。膝に手をついて呼吸を整えると、全身から汗がブワッと噴出してくる。
「よく頑張ったわね。じゃあ、次はダッシュいくわよ」
部長の笑顔が死神の笑顔に見えるのは気のせいだろうか?
† † †
「イッセーさん、お茶です」
「あ、ああ……ありがとう」
水筒を持参してやって来たアーシアからお茶を貰う。さっきまで腕立て伏せを五百回していたため腕はガクガクだ。でも、漸く一息つける……。
アーシアはここ最近こうして俺のトレーニングに付き合ってくれている。水筒や軽食なんかを持参して。やっぱり美少女の応援は体に力が入りますな。アーシアの前で格好悪い姿なんて見せられないぜ。
アーシアのためにも力をつけないとな。もう二度と寂しい思いをしてもらいたくないし。
「……」
そういえば、部長が大人しいな。見ればお茶を飲みながら何かを考えている様子だった。
「どうかしたんですか、部長?」
声を掛けると、ハッと我に返りコホンとと咳払いをした。
「いえ、なんでもないわ。それより今日にしようとしていたから、このままイッセーの家に向かいましょうか」
「へ?」
なんの話ですか?
「もう荷物も届いてる頃でしょう」
この言葉の意味を理解するのは今から丁度十分後だった。
† † †
「ええ!? アーシアが俺の家に住む?」
自宅にたどり着くと、玄関前には大量の段ボールが積まれていた。しかも、これらすべてアーシアの荷物らしく、部長に言われるがまま空き部屋に荷物を運ぶとアーシア下宿宣言が降された。
現在は家族会議が招集され、我が両親と俺、部長、アーシアはリビングで円を描くように着席している。
アーシアは初めて目にする俺の両親に緊張した様子であり、両親は部長を前にして何故か委縮していた。部長が放つ目に
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