第十二話「アーシアちゃんがお引越しです」
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ーに座って黙々と羊羮を食べていた小猫ちゃんも驚愕で目を見開き、テンポよく口に運んでいた手がピタリと止まった。
木場も驚いた顔でレイたちを眺めていた。
アーシアちゃんはよくわかっていないのか、可愛らしく首を傾げているけれど……。
――って、そんなことより!
「どういうことか説明してくれるかしら、朱乃? いつの間に『お姉ちゃん』だなんて呼ばれる間柄になったの?」
そうだそうだ! 言ってやってください部長! あ、朱乃さんは悪くないんですよ? 悪いのは全部レイなんですから。
「ふふ、それはヒミツ、ですわ」
人差し指を立てて可愛らしくウインクする朱乃お姉さまに萌えた。
くそっ、こんな綺麗で可愛らしくておっぱいの大きい二大お姉さまを姉呼ばわりできるなんて、羨ましすぎる!
レイって、あの顔にあの性格だから女子にはすごい人気なんだよな。小猫ちゃんと同じくマスコットキャラとしての知名度は非常に高く、こいつの食事風景を人目見ようと他クラスどころか他学年の女子が教室に押し寄せてくる始末だし。
くっ、これだからイケメンは! ……こいつの場合、イケメンって言うのかな? 最近イケメンの定義が揺らいできたな、帰ったら辞書で調べなければ。
あーあ、俺もモテたいなぁ……。
† † †
「ぜぇ……ぜぇ……」
「ほら、もたもた走らないの。まだダッシュ六本残ってるわよ」
「お……おー、っす……」
早朝五時、息を切らせながら俺は住宅街を走り込んでいた。
フラフラになりながら走る俺の後ろを自転車に乗った部長が発破をかける。あ、相変わらずキツイ……。
俺が人間から悪魔に転生してから一ヶ月が経過した。主である部長――リアス・グレモリー様の下僕として新たな人生を歩み始めた俺は日々、悪魔としての仕事に励んでいる。
悪魔っていうのは人間に呼び出され、代価と引き換えにその人の願いを叶える〈契約〉を生業としている。それだけが悪魔の仕事というわけではないらしいが、新人の下僕悪魔である俺はこの〈契約取り〉を主な仕事としている。
〈契約取り〉には下準備として悪魔を召喚する魔方陣がプリントされたチラシを配るんだ。そしてチラシを経由して依頼者の下に召喚される。
俺も悪魔である以上、魔方陣で召喚されると思っていたのだが、そうはならなかった。
――あまりに魔力が少ないがために、転移できないんだ。
なんだよ赤子以下の魔力って! 某ゲームのように格好良く召喚されて、
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