暁 〜小説投稿サイト〜
シャンヴリルの黒猫
Chapter.1 邂逅
4話「木漏れ日の林道」
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
たと言う。勿論、ある程度は人を襲いはするが。そして、そこから始まったのが、公暦という暦。

 まさか自分が1000年も狭間にいたとは、夢にも思わなかった。

 それから、公暦になってから新しく造られたのが、冒険者ギルドという制度。つまりは、腕の立つ傭兵もとい冒険者たちをギルドに登録させて、一か所に集めた依頼やらなにやらを討伐させに行くという制度。因みに、討伐する対象の定められたランクが高ければ高いほど報酬が増える。分かりやすい制度だ。大量発生した魔獣を駆除するのが目的で造られた組織らしい。本部は中央位置する宗教国家ルバリスにあり、支部は大陸中に散らばっており、大きな町ならば大抵あるという。

 話がそれるが、なんと神国ルバリスには正真正銘の天使がいるそうだ。1000年前は、下界になど興味を持たなかったので(他の遣い魔達もそうだったし)、人間事情など全く知らないが、なんとなく我々とは対極にいるような存在だと思われた。

 さて話を戻そう。力を持たない者たちは、ギルドに討伐依頼とその場所、またギルドが提示してきた報酬を払う事で、あとは放っておくだけで何処かの強い戦士がそのモンスターを倒してくれる。世の中金が物を言うというのは、1000年前の人間達と大して変わらない。因みに、今の通貨はリールと言うらしい。価値の把握としては、普通サイズの林檎が1つ10リール程度だと。

「名前しか覚えてないって本当なのね。そういえば、あなたの苗字、ナヴュラ…だっけ? 珍しい響きだわ」

「そうか?」

「ええ。私も勿論冒険者だから色々な国を回っているけど、珍しいと思う。……そういえば、アッシュ、あなたって戦えるの?」

「ああ。多少はね」

「じゃあついでにギルド登録しちゃえば? 今、身分証明書とか何も持っていないんでしょう?」

 ギルド登録をすれば、五大国全てに面倒な手続き無しで入国できるらしい。これは便利だ。俺はギルドに着いたらついでに登録しようと心に決めた。身分証明書なんて上等なものを持っていない今、それらを必要とせずになれる唯一の職業だ。小銭稼ぎも同時にできるから、便利便利。

 今いるのは魔獣にも通じるような兵器製造技術をもつという有名な五大国の一、バスカルグ同盟にいるらしい。だが五大国と言っても、つい5年前、魔法王国として大陸中に名を馳せていたナルマテリア王国がローズダウン皇国という魔獣を使役する技術を持つ国に滅ぼされたらしいから、今ではもう四大国となり、その上魔法技術まで手に入れたローズダウンが大陸を支配し始めているという。
 残った三国も互いに連盟を組むなりして対抗すればいいと思うが、お上の事情はそう簡単にいかないらしく、それぞれが孤立してローズダウンに対抗しているらしい。

 本当に、何
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ