第九十四話 炸裂!神雷
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した人を見ていたらね」
「碇君も」
「一矢さんにはなれないよ」
彼にはというのである。
「あそこまで素晴しい人には。それに」
「それに?」
「僕は僕だし。けれどそれでもね」
「あの人みたいに諦めないことはできる」
「諦めたらエリカさんは一矢さんの手に戻らなかったよ」
それも事実だった。彼が諦めたならだ。それで終わりだったのだ。
「シン君だって。あの時」
「ステラちゃんを」
「そうだよね。あの時のシン君の言葉忘れられないよ」
ベルリンの戦いの時のことだ。
「君は俺が守るって。あの言葉」
「そうね。諦めなかったから」
「シン君だってステラちゃんを取り戻せたんだよ」
「それじゃあ私達も」
「うん、諦めることなくね」
微笑んで言った。
「戦おう、次も」
「ええ、それじゃあ」
二人は決意をあらたにしていた。シンジも大きく変わっていた。少なくともかつての彼ではなかった。見事な成長を遂げていた。
バルマーではだ。遂にだった。
ハザルがだ。不遜な笑みで言っていた。
「そうか、バランもか」
「はっ、敵にです」
「敗れました」
バルシェムの面々が彼に報告する。
「こうして五つの陣が退けられました」
「後は」
「ふん、まさか俺が直々に出るとはな」
不遜な笑みは変わらない。
「だが、それならばだ」
「ヴァイクランですね」
「あれを」
「そうだ。俺はあれで出撃する」
まさにそうだというのだった。
「そしてそのうえで奴等に引導を渡そう」
「ハザル様、それでは」
「我々も」
ジュデッカ=ゴッツォ達もいた。やはり七人いる。
「出撃致します」
「それで宜しいでしょうか」
「無論だ」
言うまでもないといった口調だった。
「御前達も出ろ、いいな」
「はっ、それでは」
「今から」
「さて。御前達がまず出撃してだ」
ハザルは言葉を続ける。
「そして俺もだ」
「本陣をですね」
「率いられると」
「外銀河方面軍の残りを全て投入する」
「そしてそのうえで」
「この戦いに」
「そうだ、勝つ」
言い切った。
「いいな。そうするぞ」
「了解です」
「それでは」
「しかしだ」
だが、だった。ここでハザルの顔が曇った。
「孫達は元の世界に戻ったままだ」
「それぞれの機体の損傷が思ったより酷く」
「まだ修理中です」
バルシェム達が答える。
「ですから今はです」
「出撃できません」
「ふん、まあいい」
ハザルはそれを聞いて一応は納得した。
「それでは俺とエイスでだ」
「・・・・・・・・・」
彼はだ。既にハザルの傍らにいた。
「いいな、行くぞ」
「御意」
「ヴァイクランの真の姿を見せるかも知れん」
ハザルはこんなことも言った。
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