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セビーリアの理髪師
25部分:第二幕その九
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すの?」
「その手紙でわからないか。あの二人は御前を裏切ったのだよ」
「そうだ。だからこそそれがわしの手に渡り御前の手に渡る」
 そう語る。そうしてさらに言葉を続ける。
「全てはな。あの二人は御前を騙していた」
「私を!?」
「この手紙をアルマヴィーヴァ伯爵に渡すつもりだったのだ。それをわしが取り上げたのだよ。他ならぬ御前の為にね」
 これは嘘だったがロジーナにはそれはわからない。彼にとって都合のいいことに。
「嘘っ、そんな」
「わしは嘘は言わない。医者だぞ」
 この言葉は嘘である。
「わかるな。御前は伯爵に売られるところだった」
「あの二人・・・・・・」
 ロジーナはその言葉を信じて怒りに震える。

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