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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
世界合同演習
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もったいないねえ」

 飛来する弾丸を回避しながら『デザート・ホーク』に身を包んだ豪州代表、オリヴィア・ウィルソンは呟いた。彼女の目には敵役の『デザート・ウルフ』ではなく、眼下で炎上し続けている漁船が映っている。
 武装は展開しているものの一切打ち返すことなく避ける。意識は船に向いているのに一切の攻撃が当たらない。しかしオリヴィアは撃ち返さない。今回の彼女の役目は奪った機体の運搬役であり、使いこなせないという設定だ。だからこそ絶好のチャンスでも撃ち返さず回避に専念する。そもそもモンド・グロッソで記録を残している彼女が回避に専念すれば国家代表であろうと攻撃を当てるのは困難になる。
 業を煮やして一機の『デザート・ウルフ』が接近戦に持ち込もうと槍を抜き放ちオリヴィアに急接近するが……

「おらぁ!」

 突然後ろから出てきたタイガーストライプの機体、米国試作第3世代ISの『ファング・クエイク』が蹴り飛ばした。操縦者は、米国国家代表イーリス・コーリング。

「オリヴィア、テメエこの野郎! 真面目にやれってんだよ!」

「うるっさいねえ。設定上扱うのに精一杯ってことになってんだからしょうがないだろ? あと野郎じゃないよ私は」

 イーリスが通信だというのに大声で文字通り切れる。本来オブサーバーの彼女だったが、急な展開で大統領直々にこの亡国機業役を任されている。内心としてはその不満が爆発を通り越して既に爆炎が上がっている状態だ。

「いや、どうでもいいけどそろそろ援軍来るよ? やばいんじゃない?」

 いがみ合う2人の真上から場に似合わないはにゃりと力の抜けた声が掛かる。イタリア国家代表、フィオナ・ジェルミとその愛機の第2世代型IS『フォルゴーレ・U』。両肩についたプロペラに両足下部についた車輪、さらにはサンドイエローの迷彩色ははまるでレシプロ機を連想させる。古臭い見た目に似合わず速度重視の機体だ。

「うるせえ! さっきまでグースカ寝てた奴が何いきなり仕切ってやがる!」

「ふふふ、褒め言葉ど〜も〜」

 イーリスの言葉に反応したようにフィオナは笑いながら両手の80mm機関砲を接近してきた『デザート・ウルフ』に放つ。規格外の大きさを誇る機関砲から巨大な砲弾が轟音と共に射出され、『デザート・ウルフ』は当たっては堪らないと慌てて回避行動をとる。

「でも実際その通りだ。既に部隊が近づいてきているぞ」

 フィオナよりさらに上空、太陽の光の中にいた機体が猛スピードで降りてきて3人の近くに停止する。日本国家代表、榛名舞子の第U世代IS『電征』である。『打鉄』と同じく鋼色一色だが一切無駄な装飾が無く、凹凸面も少ないこの機体は速度、上昇力重視の迎撃機だ。

「んー、やっぱり日本人は真面目だねえ」

「ジェルミ代表は
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