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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
世界合同演習
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(ファースト),S(セカンド),T(サード)の3種類に分けられます。
 Fは広範囲に広く、SはFのサポート、Tは『ハーバーブリッジ』周辺の護衛を兼任しています。ちなみにコールサインの『レイヴン2』はクロエ、『シャーク1』はホア少尉です。

『……こちらレイヴン2より緊急報告』

 クロエから急に報告が入りました。基本的にこういういきなりの報告は何かある時。艦橋が俄かに騒がしくなります。

『ここから11時方向43キロの地点に未登録船舶を2隻確認。種類は……漁船。密漁船の可能性有り。これよりFフィールドの部隊による臨検に移る』

「コンディションイエローに変更・フィールドTの部隊をこちらに呼び戻せ。F-35発艦準備」

 クロエの報告を受けた艦長の声で一気に場が慌しく動き出します。コンディショングリーンは異常無し。次段階コンディションイエローは戦闘準備。最終段階コンディションレッドは第一種戦闘配置、即ち戦闘です。

「こちら『ハーバーブリッジ』よりレイヴン2へ。ターゲット『オメガ』の可能性がある。十分留意せよ」

『了解』

 『オメガ』は赤道連合内での亡国機業の呼び方です。通常の通信では相手に傍受される可能性もあるため呼び方は不定期に変えるという方針を取っています。
 クロエの視点を通しての映像が艦橋の画面に映し出されます。そこに移っているのは眼下を通過していく2隻の漁船とそれに近づく2機の『デザート・ウルフ』。『レイヴン』を装備しているクロエは見張りも兼ねて上空1万mの距離で待機しています。
 強行偵察用パッケージ『レイヴン』は索敵範囲を10kmまで狭めることによりステルス状態のISも見つけ出せるだけの索敵能力を誇ります。漁船上空1万mは正にその10kmギリギリ。これで動きが掴めるはずです。
 そう思った瞬間、クロエの視点で見ている画面が警告音を発しました。

『ステルス状態のISを漁船から確認! 数4! そいつだ!』

 クロエがそう叫んだ瞬間に漁船がいきなり爆発し、そしてその爆炎に紛れて4方向に何かが飛び出しました!

「全艦コンディションレッド発令! F部隊は交戦を許可する! SとTも救援に向かわせるからそれまで持ちこたえろ!」

『もうやってる……っと!』

 クロエが焦った声で飛来した弾丸を回避する。強行偵察用パッケージ『レイヴン』はその特性上機動性、速度が非常に鈍い。そのため本来は常に1機が護衛としてつくのですが、今回は相手と数が同等ということで敵役のISの1機がクロエと護衛に、その他3機が『デザート・ウルフ』2機を囲んでいます。

 それにしても……

 敵役豪華すぎるでしょう!


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