暁 〜小説投稿サイト〜
異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第十話 箱庭の世界ほどチートがチートでなくなる世界はないと思う
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証が雪煙を放ち、黒ウサギに対して目くらましをする。耀が旋風を起こして上空に逃げようとするが、

「耀さん、捕まえたのです!!もう逃がしません!!」

「わ、わわ、……!」

黒ウサギの大ジャンプによって捕まえられた。そのまま白夜叉に投げつけ、展望台を跳び降りた証を追いかけ始めた。

「耀さんのことをお願いします! 黒ウサギはほかの問題児様方を捕まえに行きます! 証さん! 待つのです!」

「は! 誰が捕まるか!」

急な崖をスピードを落とさずに降りていく。その証に負けず劣らずの速さで駆け降りる黒ウサギ。

問題児たちとの追い駆けっこは第二ラウンドに移ったのだった。





―――北の境界壁。自由区画・飲食店街

「待つのです!! 証さん!!!」

「断る!」

そう答えながら逃げ続ける証はいつかのように電気と風を纏っている。これによってかなりのスピードで走っているが、逃げ切れない。

「速いな〜、黒ウサギ!」

「捕まえるまで絶対に諦めないのですヨ!」

そう叫びながら屋根、時計塔、街路樹、街灯と色々な足場を使って逃げる証と追う黒ウサギ。

「くそ、仕方ないか……」

しかし埒があかないと理解した証は覚悟を決める。屋根から道の反対側の屋根へ跳ぶ。当たり前の様に追随して黒ウサギが跳ぶが、

「う、嘘?」

「ヽ(`o`;」

黒ウサギが動揺した様に叫ぶ。それもそのはず、猛スピードで跳んだはずの証は道の真ん中程で、

垂直に落ちた。

あらゆる物理法則を無視してフワリとレンガ造りの街路に降り立つ証。しかし、黒ウサギを見てから顔を顰め、何故か戻って来た。

どうして戻ってきたのか理解できず、呆然とする黒ウサギに対し証は真剣な声で、

「おい、どうしてパンツが見えない?」

「そんな事のために戻って来たのですか??」

しかし証は真顔で黒ウサギを窘める。

「逃げる事よりパンツだろ。それより幻術でも使ってるのか? 心眼で無効になるはずだが…、まあいい。こうなったらそのミニスカートを切り刻むまでのこと」

「だまらっしゃい! このお馬鹿様!!」

これ以上なく速攻で断じる黒ウサギ。しかし証は構わずギフトカードから二本のナイフを取り出す。

ククリと呼ばれるそのナイフは刃の中ほどで折れ曲がっている。その両方を投げつける。

「………っ!」

ミニスカートの縁を沿うようにして投げられたククリを間一髪で躱す。

が、立て続けにアーミーナイフ、ジャックナイフ、バタフライナイフと投げられ逃げ場を失っていく。

「くっ!?」

とうとう服にナイフの刃が掠め始め、所々解れ始める。

(仕方ありまセン。こうなっては――――!)

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