第二十六話
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いひどくない?」
疑問系じゃなく実際にひどいのである。
山田、尾津、梅木の3人は、部屋に戻ろうとする芝山の後をついて行き、そのままなし崩しで部屋に押しかけていた。
「しかし傭兵扱いか」
さすが一流というより高級ホテル。しかも超がつくだけあって、ホテル自体にシングルルームなどは存在せず、基本はダブルかツインであり、この部屋はダブル。
そして、同じホテルの一室でダブルベッド──実質クイーンサイズ──に個性豊かな3人の美少女が腰をかけているという、自分の人生においてありえないシチュエーションに、戸惑いながら、3人に視線を向けないようにしながら呟いた。
「むしろアルバイト軍人」
ベッドの上にちょこんと座りスカートの裾を押えながら山田が言う。山田鷹二の時の喋りすぎなくらいな毒舌はなりを潜め、言葉少なく物静かな小動物的な可愛らしい少女である。正直なところ芝山には山田鷹二の中の人としてとらえるには違和感があった。
彼等、選抜された参加者達に要求されたのはDSWO内でエルシャン──マザーブレイン直属の部下として動く事。
第1211基幹艦隊の現状は、戦場において現場指揮を行える者が存在せずに、地球人部隊は個人もしくはチームレベルの戦力が、個々の能力の高さにものを言わせえて【敵性体】を駆逐しているに過ぎなかった。
エルシャンはパイロット廃業状態であり、マザーブレインは擬体を操作する事こそ出来るが、それは同調装置の通信機能を用いたものではなく、連盟によって開発されたFTLC(超光速通信)技術を用いて行われる擬似的な同調であり、同調装置に使われているFTLCのような一万光年離れて実戦に耐えうるほど短いラグタイムでの通信が可能な銀河系外技術には大きく劣るため、光速の100倍程度の伝達速度しかなく、伝達速度だけを考えても広い宇宙空間を戦場として戦うには問題があった。
また、同調装置に使われているFTLCは炭素系生命体の脳波にのみ対応しており、【敵性体】のハッキングが擬体を通して同調装置に及ばないのに対して、擬似同調の場合は【敵性体】からのハッキングによりAIを乗っ取られる危険性が高い。
つまり、第1211基幹艦隊には司令官であるエルシャンの戦術を理解し戦場にて反映出来る下級指揮官が、戦力向上において必要不可欠だった。
本来の計画では各国の軍から若手の士官を引き抜いて、指揮官として部隊指揮を行わせる予定もあったが、大きな問題があり計画に遅れが出た。
軍とは上意下達。兵士とは上官の命令に従うように訓練で人格までカスタマイズされた存在であり、上官の命令に対して、少なくとも表面上は疑問を挟むことなく遂行する。
要するに優秀でも人間としての経験の乏しい若手士官では、兵の指揮は取れてもゲームで遊んでるつもりのプレイヤーをまとめて指
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