第八十五話 ベスの選択
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来てます」
今言ったのはミヒロだった。
「ステーションに」
「ドロワ=ザンね」
カララがモニターに映るその巨艦を見て言った。
「ハルル姉さんね」
「まずいな」
ギジェも深刻な顔になる。
「あの方が来られると」
「そうなのですか」
「そのハルルという人物が来ると」
「危険なのですか」
プラクティーズの三人がそのギジェに問うた。
「というとその者」
「かなりの名将ですか」
「そうだと」
「そうだ。立派な方だ」
ギジェはその深刻な顔で答えた。
「将として。まさにバッフ=クランの宝だ」
「その名将が来た」
マイヨも真剣な顔になっている。
「バッフ=クランも本気か」
「しかもだ」
ギジェはここでさらに話した。
「カルルの姉君だ」
「えっ!?」
「姉妹!?」
「カルルさんの」
皆このことに唖然となった。
「じゃあ骨肉の争いかよ」
「しょっちゅうだけれどここでなんて」
「何か最悪」
「嫌な戦いになるよな」
「そうよね」
「それだけではない」
ギジェの話はさらに続くのだった。
「我々がかつて退けたダラム=ズバはだ」
「ああ、あの」
「あの戦いも激しかったけれど」
「あの人と関係者?」
「何かあったんですか?カララさんのお姉さんって」
「ハルル様の想い人だったのだ」
そうだったというのである。
「しかもハルル様は情念の強い方だ」
「じゃあ俺達を狙うだけじゃなくて」
「敵討ちもあって」
「俺達に来る」
「そうだってのね」
「そうだ。これは実にまずい」
ギジェもだ。深刻な顔を元に戻せない。
「どうしたものか」
「通信が入ってきました」
ここで皆に話すヒカリだった。
「モニターに出ます」
「げっ、向こうから!?」
彼女の横にいるケイスケが思わず声をあげてしまった。
「これって本当に」
「マジやな、あちらさん」
トウジも覚悟するしかなかった。
「洒落にならんことになりそうやな」
「ふん、来るなら来いよ」
アスカは次第に持ち前の闘争心を取り戻してきていた。
「誰であろうとね」
「そんなこと言ってマスターアジアさん来たらどうするの?」
その彼女にシンジが突っ込みを入れる。
「あの人何時何処に出て来るかわからないけれど」
「否定できないのが忌々しいわね」
アスカは彼のことが実によくわかってきていた。
「世界が違っても平気で来るからね」
「シュバルツさんもね」
「だから変態って嫌いなのよ」
アスカはまだ二人をそう見ていた。
「常識を無視するから」
「まあ僕はあの人達好きだけれど」
「はいはい、あんたも変態」
「何でそうなるんだよ」
「変態を好きな奴は変態よ」
だからだというのである。
「あんな変態爺さ
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