第八十三話 失われる闘志
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」
「そんな気がするけれどね。つまり」
「つまり?」
「イデには何らかの目的意識があって」
完全に人の心と同じだと見ていた。
「それを達成すべく僕達を動かしているのかも知れない」
「私達をか」
「うん、どうかな」
「面白い理論だな」
ギジェは万丈の考えをこう言って肯定した。
「神話や伝承の現代解釈に近いものがあるな」
「そこまで哲学的かな」
「そう思う。私は純粋に興味があるが」
「けれど貴方のその考えも」
「いいか」
「そう思うよ。それで」
万丈はだ。丁度部屋に入ってきたシェリルに顔を向けた。そのうえで彼女にも問うた。
「シェリルさん、貴女は」
「私なのね」
「はい、どう考えていますか?」
「イデについてよね」
「はい、それは」
「まだよくわからないわ」
これが彼女の意見だった。
「深くはね。ただ」
「ただ?」
「女性に近いかしら」
彼女はこう言うのであった。
「イデは」
「女性ですか」
「母性に似たものを感じるわ」
これが彼女の見方だった。
「何処となくね」
「イデが女性」
「イデは意志の集合体だけれど」
シェリルもこのことは把握しているのだった。
「それでも。その中の女性的なものが」
「大きいと」
「そう思えるの」
これがシェリルの見方だった。
「それが違うかしら」
「いや、間違いではないな」
ギジェが彼女のその考えを認めて言った。
「おそらくな」
「貴方もイデはそうだと思うのかしら」
「男性か女性まで考えてはいなかった」
こう言ってからだった。
「だが。気味の言葉を聞いて考えてみるとだ」
「そう思えるのね」
「そうだな。女性だな」
ギジェは考える顔で述べた。
「イデは。だからこそ」
「だからこそ?」
「子供により反応するのか」
「そうかも知れないわ」
「どちらにしろだね」
万丈が二人に話す。
「このことはもっと深く考えてみる必要があることだね」
「ええ、そうね」
「その通りだな」
二人も彼のその言葉に頷く。そうした状況だった。
レプリカの地球への調査は続いていた。その時だった。
猿頭寺がだ。パピヨンに対して話していた。
「今のところ何もわからないけれど
「そうね。今はね」
「けれどね。パピヨン」
「どうしたの?」
「僕は満足しているよ」
こう彼女に言うのだった。
「今はとてもね」
「満足?どうしてなの?」
「どんな形であれ」
彼女を見てだ。そのうえでの言葉だった。
「君がいてくれるからね」
「私が・・・・・・」
「うん、それだけで十分だよ」
優しい顔での言葉だった。
「それでね」
「有り難う。けれど」
「けれど?」
「注意していて」
パピヨンはここでこう言
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