第八十二話 相応しい末路
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されたのだ。
それも一度や二度ではない。何度もだ。ザカールはそれを避け切れなかった。
「う、うぬううううううっ!」
「死んだか」
「これで」
多くの者がそう見た。
「ル=カインの奴もこれで遂に」
「死んだ!?」
誰もがそう思った。だが。
彼はその攻撃を受けてもまだ生きていた。満身創痍でもだ。
ふらふらになりながらもだ。前に出て言うのだ。
「私は。野蛮人共になぞ」
「そうか、もういい」
その彼の前にだ。エイジが来て告げる。
「ル=カイン、もう御前はだ」
「何だというのだ」
「死ね」
血だらけになっている彼にだ。一言告げた。
「これでだ」
「ま、まだだ」
動けなくなってもだ。彼は言うのだった。
それでだった。何とか前に出ようとする。だが。
エイジの攻撃がコクピットを貫いた。彼の額もまた。
それで動きを完全に止めてだ。ゆっくりと銀河の奥底に落ち。爆発の中に消えた。これが華麗と言われた男の末路であった。
「無様だな」
「そうだね」
「これでね」
ロンド=ベルの面々はその死についても冷たかった。
「最後位潔くしていればいいのに」
「最後の最後まで偉そうに言って」
「それでああした最後って」
「何だかね」
「僕も思うよ」
彼を倒したエイジも言う。
「ル=カイン、下らない男だったよ」
「全くだな」
彼の言葉にゲイルも頷く。
「だが、これでだ」
「はい」
「グラドスの恥は全て消えた」
こう言うゲイルだった。
「その過ちもだ」
「そうですね。グラドスはあらためて新たな道を歩めますね」
「そのことにも気付いた」
ゲイルの声は澄み切っていた。
「それではだ。今はだ」
「そうですね。残っている宇宙怪獣をですね」
「倒そう。そして」
「このグラドスでの戦いを終わらせましょう」
「グラドス軍、完全に消滅しました」
一機もだというのである。副長の報告である。
「残るはです」
「宇宙怪獣だな」
「はい」
副長はタシロの問いにも答えた。
「残るはです」
「そうか、それならばだ」
「後はですね」
「全軍攻撃だ」
こう言ってだった。そうしてであった。
彼等はそのまま宇宙怪獣との戦いに入った。エイジとゲイルは肩を並べて戦っている。
「じゃあゲイルさん」
「そうだな。ここはだ」
「はい、グラドスの為に」
「銀河の為にな。共に戦おう」
こうしてだった。彼等は共闘し無事宇宙怪獣の大軍を倒した。戦いはこれで終わった。
それで終わらせてからだった。彼等は一旦本星まで戻る。そこで整備と補給を受けてだった。
「行くのね」
「うん、行くよ」
エイジはこうジュリアの言葉に頷く。
「三連惑星にね」
「そこに行ってそれで」
「銀河を
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