第八十話 講和成立すれども
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美だ!」
「それ前に言わなかったか?」
「そんな気がするな」
ミシェルとクランが言う。
「まあ何でもかんでも二文字の後で美だからな」
「限られてくるな」
「それもまた美なのだ」
へこたれないガビルだった。
「それを様式美という」
「それはよく聞きますね」
今度はルカが突っ込みを入れる。無論戦いながらだ。
「その言葉は」
「定まっているものにも美はある」
そしてこうも言うガビルだった。
「美は全てにあるものなのだ」
「かなり独特の哲学だけれど」
「頷けるものはあるな」
「そうだよな、敵とはいえ」
「っていうと」
ここでだ。ロンド=ベルの面々も気付いたのだった。
「俺達もあいつと同じか?」
「個性が際立ってないだけで」
「それは」
「まあいいか」
「なあ」
そしてだった。彼等もそれを受け入れるのだった。
「とりあえずあいつは敵だけれどな」
「別に卑怯でも卑劣でもないしな」
「絶対に正面から来るし」
「だよな」
こう話してだった。戦いを続ける。敵の変態が来てもだ。
「よし、撃て!」
「ミサイル一斉発射!」
「美しく」
カットナル、ケルナグール、ブンドルが言ってであった。
三人の戦艦からミサイルを放つ、それで、であった。
敵をまとめて倒す。戦艦も前線で戦っている。
「ふむ、順調だな」
「うむ、上手くいっているな」
「いいことだ」
そしてこう話す三人だった。
「いい具合に進んでいる」
「敵の数を減らしていってな」
「守りはこれでいい」
だが、だった。ここでだった。
ケルナグールがこんなことを言い出したのだった。
「しかしなあ。わしはどうもだ」
「やはりか」
「守るのは嫌いなのだな」
「わしの性に合わぬ」
やはりであった。守るのはケルナグールにとってはそうなのだった。
「こう一気に攻めなければだ」
「わかっておる。しかしだ」
「今は仕方がない」
カットナルとブンドルが彼を止める。
「それは御主もだ」
「承知しているな」
「ううむ、それでもだ」
難しい顔をする彼だった。
「わしはどうもな」
「全く。たまにはいいではないか」
「守るのもな」
「そういうものか。前に出ぬのもか」
「そういう戦いもあるぞ」
「わかっていると思うのだがな」
「わかってはいる」
それは彼もわきまえている。だがそれでもだった。
腑に落ちないといった顔でだ。彼は諦めて言った。
「後で少し暴れるとするか」
「トレーニングでもしておけ」
「ケルーナでな」
「そうする。それではな」
こう話してであった。ケルナグールは今は我慢していた。
そしてであった。戦いが進むとだった。
損害はプロトデビルンにとって無視できなくなってき
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