第七十八話 白い烏
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った!」
それだとバサラに言うだった。
「では我々は今は去ろう」
「帰るってんだな」
「音楽か。どうやらこれは」
「んっ、俺の歌に惚れたか」
「まだそこまではいっていない」
こうバサラに返しもするガビルだった。
「だが、だ」
「だが?」
「若しかするとな」
思わせぶりな言葉であった。
「これが我等を変えるもやもな」
「こいつ、何か感じ取っているか」
「そうみたいですね」
フィジカが金竜の言葉に頷く。
「何かはわからないですけれど」
「そうだな」
「ではここはだ」
また言うガビルだった。
「退こう。撤退美!」
「ガオオオオオン!」
こうしてプロトデビルン達は撤退した。そして残ったのはだ。
「・・・・・・・・・」
「ゲイルさん」
エイジが沈黙している彼に声をかけた。
「いいでしょうか」
「うむ」
「僕達も。これまでグラドス人はです」
「野蛮と思っていたか」
「残虐と思っていました」
彼にしろそうだったというのだ。
「この身体に半分流れている血もまた」
「疎ましかったのだな」
「その通りです。けれど今は変わってきています」
「そう思わなくなってきているか」
「その通りです」
こうゲイルに話すのだった。
「変わってきています」
「そうなのか」
「それでですが」
ここでエイジはゲイルに問うのだった。
「今グラドスはどうなっているのでしょうか」
「状況は芳しくない」
ゲイルは暗い顔で答えた。
「正直なところな」
「そうですか」
「プロトデビルンだけではなくだ」
「宇宙怪獣もですね」
「そうだ。知っていたのだな」
「はい」
エイジはゲイルの言葉に険しい顔で応えた。
「戦いましたから」
「それでか」
「その二つの勢力に一度に攻められていますか」
「それで本星にまで退かざるを得なくなっている」
それが今の彼等の状況だというのだ。
「それで我々も今だ」
「そのグラドスの市民達をですね」
「そういうことだ。既に多くの者が犠牲になっている」
ゲイルはこのことも話した。
「そのうえで」
「えっ、まだあるのかよ」
「それだけでも大変なのに」
「それにまだって」
「内部分裂も起こってしまった」
そうなってもいるというのである。
「こうした状況に危機感を持った急進派が分裂したのだ」
「それ一体何を?」
「どうしようと」
「バルマーの兵器も全て押収しそれで戦おうとしているのだ」
「おいおい、それはないだろ」
それを聞いてすぐに言ったのは豹馬だった。
「そんなことしたら今はいいとしてもだ」
「そうよ。バルマー帝国が黙っていないし」
「そうよね、それは」
「ちょっと」
「それだけではない」
ゲイルの言葉はま
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