第七十六話 突きつけられたもの
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でも誰でもです」
「酷いことするからね」
カツも今はその顔に嫌悪感を見せている。
「それが問題だよね」
「だよなあ、それは」
「本当にね」
「毎回毎回そうだし」
「だからこっちも徹底的にやってるし」
そうする理由があるということだった。
「あの連中だけは放っておいたら何するかわからないから」
「ああ、降伏した傍方から攻撃してきたしな」
「そういうこともしてきたからな」
そんな彼等だった。何はともあれその本星に向かう。
しかしその中でだ。騒ぎが起こるのであった。
「痛っ」
「むっ、済まない」
シティ7の中でだ。トウマが誰かとぶつかったのだ。
すぐに謝罪の言葉が返って来た。女の声だった。
「怪我はないか」
「あ、ああ」
それはないというのだった。
「軽く当たっただけだしな」
「そうか」
「ああ。だから気にしないでくれ」
こう返すトウマだった。
「別にな」
「そうか。ならいいがな」
「ああ。しかしあんた」
「何だ?」
見ればだ。緑の澄んだ目に浅黒い肌とはっきりとした顔立ち、紫の髪という姿だった。白い服と赤紫の帽子が印象的である。
中性的な趣の女だった。トウマはその彼女を見て言うのだった。
「はじめて見る顔だな」
「そうか」
「しかし。何か違うんだよな」
彼は本質的にこのことを察していた。
「何処かな」
「何処かとは」
「いや、それはわからないけれどな」
トウマはいぶかしむ顔になっている。
「ここで会ったのも何かの縁だ。名前聞かせてくれないか」
「私の名前か」
「ああ、何でいうんだ?」
こう彼女に問うのだった。
「それで。何て名前なんだ?」
「ルリアだ」
まずはこう名乗る彼女だった。
「私の名前はルリア=カイツという」」
「ルリアさんか」
「そうだ」
あらためて名乗る彼女だった。
「覚えておきたければそうするといい」
「ああ。じゃあ今度は俺の番だな」
今度はこう言うトウマだった。
「俺の名前はな」
「何というのだ?」
「トウマっていうんだ」
まずはこう名乗る彼だった。
「トウマ=カノウっていうんだ」
「そうか、トウマか」
「よかったら覚えておいてくれよな」
笑顔で話す彼だった。
「そういうことでな」
「うむ。ではまたな」
「縁があればな」
これでお互い別れようとした。しかしであった。
今度はだ。ヴィレッタが来たのだった。彼女はまずトウマに声をかけた。
「ここにいたのか」
「あっ、ヴィレッタさん」
「急に姿が見えなくなったから探したがな」
「ちょっと人と話をしてまして」
「人とか」
「はい、この人とですけれど」
「むっ!?」
ヴィレッタもルリアを見た。するとだった。
その顔を強張
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