道具
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「アレス」
ナギサの後ろに立っていたのは長身長髪の男。
そしてその仲間とおぼしき男女数名。
防具のレベルを見るに、攻略組だろう。
「どうしたの」
聞くナギサに、アレスと言うらしいお兄さん系の男は苛立ったように言う。
「どうしたもなにもいきなりパーティーから抜けるってどういうことだ!?」
やっぱし面倒なことになったじゃないか。
「今日からこの人とパーティーを組むことにしたの」
「不本意ながらな」
ため息と共に言う俺に、アレスは半ギレに近い剣幕で顔を向ける。
「横取りは止めてほしいものだな」
その一言で俺は悟っていた。
要するに、この男はナギサの知名度を使ってギルドの名を上げようとしているのだ。
「彼女ほどの便利な人を手放す訳がないだろう」
正直、パーティーが解消されるならそれでいい。
だが、カチンときてしまった。
今の言い方だとナギサが道具の様ではないか。
「ちょっとリーダー」
「黙れよ」
異論を唱えようとしたアレスの仲間の言葉を遮る。
ずいっと前に出る。
「デュエルで決着をつけようぜ」
こいつにだけはナギサは渡さない。
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