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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
運命の夜の先へ
一日の終わり
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どころか気づくこともない。


 正直に言おう。今この瞬間だけは、霊体化を本気で羨ましいと思った。
 しかしそんなことで霊体化と実体化をして魔力負担をかけられるのはどうか。

 一般学生の自分と魔術師としての自分が頭の中で鬩ぎ合う。



 メインは牛肉でいいので、後は副菜とかそのあたりを買おう。

「ああくそ、ピクルスがねぇ。はぁ、じゃあもう胡瓜でいいや。トマトピューレ……トマトとは別に買っとくか」

 すでにペースト状になっているものと普通のトマトは別用途に使えるし、トマトを加工する手間を省くことができる。
 
 スープにしたり炒め物と和えたり、各種調味料と配合してソースを作ったりも可能だ。
 そういったアレンジやピューレ自体をメインに据えることができるので、俺が料理をするときはトマトピューレを使うことが多い。

 休みの日のお昼なんかはそれでポモドーロパスタを作ったり、ハヤシライスなんかも作っている。
 母の味を再現するという目的が無ければ、自炊することも料理を覚えることもしなかったと思う。

 さて、大体の買い物は終わったな。

「お金は足りるな。今月はバイト休むから、来月分は黒守の預金通帳から降ろすか」

 生活費が足りなくなるのは聖杯戦争のせいなので、そこは仕方が無い。

 精算し終わった商品を袋に詰める。
 用途別に小袋に分け、大袋一つにまとめていく。

(マスター)
(どうしたー? あ、おまえアップルジュース飲んでたけど、晩飯は食うの?)
(サーヴァントの気配よ)
(出来れば食費がかさむからやめてほし────なんだと?)

 フェンサーからの報告に神経を研ぎ澄ませる。
 少し離れた場所……ここから学園方面に、微かに特殊な魔力波長が感じられる。

 ただ、傍にいるはずのマスターの気配は微塵も感じられない。

(マスターは隠れてんのか? その割にサーヴァントの気配を感知させちまうのは手際が悪いな)
(多分実体化させただけでしょうね。魔術的な気配は感じないから、何らかの理由でサーヴァントだけ出したのよ)
(ふうん……フェンサー、先に様子を見に行け。俺もすぐに追いつく)
(了解)

 霊体化して傍に付いていた彼女の気配が消える。

 俺も急いで食材を袋に詰めて表に出て、駐輪場に停めたバイクの元へいく。
 シートの下に荷物を積み込み、代わりに中に納めていたゴーグルとヘルメットを装着する。

 まだ暖気されたままの車体。
 エンジンを一度大きく回転させ、燃焼し噴き出される排煙を跡に残しながら、一般道での最高時速でフェンサーの後を追った。















 学園から住宅街へ抜ける路地。
 そこにフェンサーの
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