暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
運命の夜の先へ
一日の終わり
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た。
このレベルになると、他に乗っている人間はほとんど見かけない。
新車価格だと値段が国産乗用車を余裕で買えるほどなので、バイクを趣味にしている人間でもおいそれと手を出せない代物だ。
ぶっちゃけ改造費込みなら、乗用車を二台買えるかもしれないほどのお値段になっています。
しかし近頃では日曜朝の某仮面を被った正義の味方がこのバイクに乗っているあたり、あの番組の製作スタッフにはバイク好きが潜んでいるのやも知れぬ。
できるなら、予算案がどうなっているのか見てみたい。
「じゃあな、おっちゃん!」
「おう、達者でな」
ヘルメットとゴーグルを装備し、エンジンをまわす。
剥き出しになった二本のショートマフラーが奏でる重低音。
車体から伝わる、身を震わす振動を感じながら、俺は車道の方へと進む。
そして一度停車し、周囲に人目がないことを確認。
ヘルメットを外してシートの内側へとしまいながら、後ろから付いて来ているフェンサーに向き直る。
「よし、フェンサー。
戦場
(
街中
)
を
斥候
(
ドライブ
)
に行こうぜ」
「……私が後ろに乗ってたら、目立っちゃうわよ?」
「いいんだよ、認識操作するから。誰かが乗ってる、ぐらいの印象しか受けないように調整するさ」
どちらにせよ、フェンサーを後ろに乗せるなら周囲への
誤魔化し
(
フェイク
)
は必須だ。
彼女の格好が目立つのもあるが、ヘルメットも一つしかないし、わざわざ二つ用意するのも効率が悪い。
法律上の問題でも、一般道は運転免許取得から一年未満、自動車専用道、高速道路は運転免許取得から三年未満の
運転者
(
ドライバー
)
は二人乗りが禁止されている。
俺も運転免許取得からはまだ3年経っていないので、普通だと走れる場所に制限が掛かってしまう。
町中で暴走運転をするつもりはないので、警察に止められることはないだろうが…………
警察の方々は相当お暇なのか、運転者からは見えない絶妙な位置に待機して、一日中監視の目を光らせていたりする。
きっと油断してスピードを出したりするドライバーを、『はい違反したー』と言って捕まえることに快感を覚えているに違いない。
これはドライバー間での
共通認識
(
あるある
)
かもしれない。
唯一懸念すべきは検問を張られている場合だが、そのときはフェンサーにそっと霊体化してもらって誤魔化すことにしよう。
「危ない運転なんかしないから安心しろって。てか、おまえなら振り落とされることも無いだろうけど」
ほらほら、と言って後ろのシートをポンポンと叩く。
少しの溜息をつきながら、フェンサーも仕方ないとばかりに後部座席を跨いだ。
「さすがに細かい道まではまわれないけど、大まかな地形は把
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