第一部
阿修羅との戦い T
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分けて、数で沙穂を圧殺しようとしているの。」
リップルラップルの言葉に、事態が予想以上にマズイ方向へ向かっている事を自覚するアリス。鈴蘭のほうを向くが、鈴蘭自体は平然としたものだ。
「まあ、数が増えれば厄介になるのは当然だよねぇ・・・。ところで、今分かれている神格は、誰と誰と誰?」
「恐らく、主神格であるインド神話の『アシュラ』に、イラン・インド神話の『ヴァルナ』って所じゃないかの?あとの一柱はよくわからんが。」
ミーコの言葉に、思わず叫ぶアリス。
「ヴァ・・・ヴァルナ神って、《天空神》じゃないですか!?その他にも、《司法神》や《水神》などの属性すらも持っている、最高神ですよ!?」
「いや、恐らく今は《水神》としての神格しか持っていないの。《天空神》は『ブラフマン』に、《司法神》は『ヤマ神』に既に奪われているの。ずっと水の権能しか使っていないのがその証拠なの。そして多分、最後の一柱は、インド神話の『ラーフ』なの。さっきから、太陽を隠そうとして権能を使っているの。」
言われた鈴蘭とアリス、ミーコが空を見上げると、確かに日食が起きようとしていた。先程から妙に暗いと思っていた彼女たちだが、まさか日食まで起こせるとは思って居なかったようだ。
「『ラーフ』・・・確か、霊水アムリタを神々に黙って勝手に飲んで、それを太陽の神と月の神によって密告され、ヴィシュヌに頭を跳ね飛ばされた神ですよね。霊水アムリタを飲んでいた為に完全には死なず、頭だけで宇宙を漂って太陽と月を食べるという・・・。」
呟くアリスに、コクリと頷くリップルラップル。
「其のとおりなの。」
「でも、体全部あるよ?頭だけなんじゃ・・・?」
鈴蘭の質問に、軽く答える。
「分裂された神格は、主神格の姿と同じになるの。それが何故かは不明なの。」
「成程。」
納得する鈴蘭。
「兎に角、恐らく『ラーフ』の権能は『時間を操る』か、『闇を操る』のどっちかだと思うの。」
「な、何で?」
「古来、太陽と月は、どちらも時間を表すのに使われているの。それを食べるという表現から、『時間を司る機能を奪う』と解釈する事が出来るの。もしくは、『光を発する物の機能を奪う』と解釈して、光の反対である、闇を操る能力の可能性もあるの。・・・・・・大穴で、『《不死》の属性を持つ太陽を食べる』という表現から、不死殺しの能力かもしれないの。」
「・・・・・・これは、厄介な展開になってきたねぇ・・・。」
鈴蘭の溜息が、溢れた。
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