第一部
阿修羅との戦い T
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、最早人外とも言える大跳躍を行ったのだ。砲弾のように一直線に跳んだ彼女は、三柱の内の一柱と交差したその瞬間、神器”今月今夜”を抜き放った。その抜刀術は、最早神速とも言える程であり、人間として最高峰の実力を持っていると言ってもいいだろう。
「ぬ、甘く見るな!」
今まで三柱同時に喋っていたが、今度ばかりはその余裕も無かった。三柱の内、沙穂の攻撃に反応出来たのはたった一柱。その一柱が、今にも攻撃を受けそうだった一柱の目の前に、分厚い氷の盾を出現させたのである。・・・否、それは既に盾などというレベルの大きさではなく、巨大な壁と言えるほどのものであった。
「危なかった・・・。」
「コッチも甘く見ないで欲しいであります!!!」
神である彼らをしても、完全に防ぎきることは難しいと思える攻撃だったが故に、防御が間に合った事を喜ぶ阿修羅たちであった。しかし、沙穂の叫びと共に、神の権能を用いた氷の盾は、いとも簡単に叩き切られたのである。
「何!?」
流石に阿修羅まで攻撃は届かなかったようだが、自身が生み出した盾を容易く破壊された事に驚きを隠せない阿修羅。その隙を見逃す程、沙穂は甘くない。
「喰らうであります!」
突き出した右手。それが突然変形したのだ!
生まれたのは砲口。刹那の内に完全変形したその砲口から、鈴蘭の権能で創り出したオリハルコン製の弾丸が雨あられと降り注いだ。
「ガアアアアア!?」
『腕が変形する』などという、神話の時代にも起こり得なかった珍事に、今度ばかりは対応出来なかった阿修羅。不意を打たれた上に、弾丸がオリハルコン製では成す術もなく、大量の弾丸をその身に受けてしまった。
「何と!?」
「奇怪な・・・!!!」
重力には逆らえず、地面に落下していく沙穂に攻撃を仕掛けることすら忘れ、呆ける阿修羅たち。しかし、彼ら以上に驚いている人間がいた。
☆☆☆
「へ、変形したですって!?」
鈴蘭達と一緒にその戦闘を見つめていたアリスである。実は、カンピオーネとなってから沙穂が戦闘するのはこれが初めてである。一体、彼女がどんな神を弑逆したのかさえ、今まで賢人議会は把握出来ていなかった。鈴蘭が彼らに売ったのは、鈴蘭自身の情報のみだからである。
先程、阿修羅が叫んだ『我が宿敵インドラを殺した神殺し』という言葉から、沙穂が雷霆神インドラを弑逆して神殺しになったのだということは推測出来る。しかし、現在の沙穂が一体いくつの権能を持っているのかさえ、賢人議会は把握していないのだ。
当然彼らは、沙穂が改造人間―――というよりは、機械人間?―――であることなど知る由もない。そもそも、カンピオーネの義母であるパンドラで
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