第一部
阿修羅との戦い T
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『来たか神殺し!!!』
「・・・〜!声が大きい・・・!」
耳を塞ぎながら鈴蘭が呻く。先程船の上空に現れた時よりもテンションが上がっているらしく、声が数段大きくなっているのだ。しかも、相手は三柱。数が増えれば当然音量も大きくなるわけで、木々を大きく揺らすその声量はそれだけでも攻撃と言えるほどであった。
「奴にとっては因縁の相手を横から奪った憎き敵じゃからの。気合も入ろう。奴にとってみれば、娘の敵を奪われたようなもんじゃしな。」
とミーコ。
「バカンスを邪魔するKYにはお仕置きが必要なの。ビシバシと躾て来るの。」
沙穂を煽るのはリップルラップル。
「頑張るであります!!!」
殺る気満々の沙穂も、リップルラップルに頷き返した。
「昔からKYな奴だったの。自分が正義だと信じ込んでいるから、他人にどれだけ迷惑を掛けようと気にしないの。ここら辺で人間に倒されて、考えを改めるといいの。」
どうやらリップルラップルは阿修羅があまり好きではないようで、言ってる内容が結構エグい。だが、『他人に迷惑掛けて』云々は、魔殺商会の人間が一番言っちゃいけない言葉だと思うが。
「舎脂だって、最初は無理やりだったかもしれないけど、最終的には快楽で堕とされて幸せな雌・・・。」
「ハイハイハイハイストップストップスト〜ップ!!!女の子が何言ってるんだ!!!」
暴走し始めたリップルラップルを慌てて止める翔希。これ以上はタグの変更をしなければいけない為、かなり必至だった。
『何をグズグズしている!始めるぞ!!!』
馬鹿やっている鈴蘭チームに業を煮やした阿修羅が叫んだ。
「ありゃ、かなりお怒りのご様子。じゃぁ沙穂ちゃん。」
「なんでありますか?」
コテンと可愛らしく首を傾げた沙穂。これから死闘を繰り広げるというのに、その姿には僅かな緊張さえも感じ取ることは出来ない。
彼女にとって、殺し合いとは日常だったのだから、今更緊張する訳もない。あのドクターをして、壊れていると言わしめたカンピオーネ。ただの少女にも見える彼女の本質が、表面化していた。
「斬ってよし!」
その一言を聞いた瞬間、彼女の雰囲気が一変する。
ニタァと狂気に顔を歪ませ、己の闘争本能に従って体に力を貯める。限界まで力を貯めたその瞬間・・・
「了解であります!!!」
ドン!!!
地面にクレーターを残し、彼女は跳んだのだ。己の敵の元へ。
☆☆☆
先ず先制攻撃をしたのは、沙穂だった。敵は全て、上空数十メートルに浮いていたというのに、彼女は、魔術なども一切使わずに、カンピオーネとしても異常な
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