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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第三十二話    『それぞれの思い』
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「いいんです。お父様の意思は私達の意志。だから一人で背負い込まないで…」
「そうだよ、父様。管理局全体が父様の敵になってもあたし達だけはいつまでも父様の味方だから」
「本当に、すまない…」

それから二人の励ましを受けて私は冷静を取り戻した。
そうだ。この永遠に続く闇の書の呪いは誰かが解かなければいけない。
その為にはなんと言われようと最後まで意地を貫き通そう。
誰かがやらなければ、いけない事なのだから…。

「では二人とも。通常通り仕事に戻ってくれ。察知されると不味いからな」
「了解」
「監視もしっかりとやっておきます」

二人はそうして部屋を出て行った。
そこで私は一つの写真立てを手に取る。
そこには一人だった頃と違い、幸せそうな笑顔を浮かべている少女の姿がある。
一緒に写っているのは当然守護騎士達…だが、少女の肩に乗っている異常にでかい鷹はなんなのか?
サーチャーで監視している時もその鷹は監視の目を掻い潜り気づけばどこかに消えているという神出鬼没ぶりだ。
帰ってくるときもそう…守護騎士の誰かと一緒に“いつのまにか”いる。
もしやあの鷹はサーチャーに気づいていてわざと見逃しているというのか…?
いや、それはありえない…。
だが…これ以上イレギュラーな事態は起きるのは好ましくない。
だから監視はより徹底しておくべきだな。

しかし、覚悟はもう決まっているがやはり利用しているという罪悪感がある。
もう少ししたらこの少女を希望から絶望に叩き落す事になるのだから…。
だからもう少し、そう…しばしの間だけでも幸せに浸かってもらいたい。
この事件が終わったら、私も後を追う事になるだろう…。

「しかしやはり、つらいな…」

椅子に背を預けて目を瞑りながら私はそう呟く。


◆◇―――――――――◇◆


Side シグナム


あの激戦後、私達は散り散りになって撤退をしていつも通りに我等の集合場所に戻ってきた。
だが他の三人はともかく私は相当ダメージを受けた。
テスタロッサにもらった腹の傷も相当のものだが、シュバインオーグとの戦いでの消耗はかなりのものがある。

「シグナム、大丈夫か…?」
「そーだぜ、シグナム。お前がそこまで傷を負うなんて滅多なことじゃないだろ?」
「家に帰る前に治癒魔法で外面だけでも治しておきますね。はやてちゃんが心配しちゃいますから…」
「そうだな。すまない、シャマル…」
「いいのよ。私は前線組みじゃないんだからこれくらい役に立たないと。…でも、シグナムをここまで追い込んだなんて…シホちゃんは相当の使い手のようね」
「ああ。正直に言えば何度かやられると思ってしまったからな…」

…そう、シュバインオーグとの戦いは本当に切羽詰ったものだった。
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