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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第十六話
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 ハミルトンは慌てて反論するが、頬は赤く染まっている。

「ふぅん」

 ロゥリィはニヤニヤと笑いつつ元の席に座る。ハミルトンはロゥリィが何でそんな質問を聞いたのか気になったが分からなかった。

 そして第三偵察隊は砂利で整備された道路へと入る。上空には陸軍の九七式戦闘機三機が飛行している。

 防御陣地の前縁までの地域は派遣部隊の演習・訓練場となっており、兵士達が実際に小銃を持って市街戦の対処訓練をしている。これは大陸での戦訓と独ソ戦の影響であった。

 ピニャとボーゼスは兵士達が何をしているのか理解出来なかった。

「彼等の持っている杖はイタミらの持つ物と同じ物のようだが、ニホンの兵士は魔導師なのか? もしそれなら話が分かるが……」

「魔導師は希少な存在ですし魔導とは特殊能力ですわ。もしかしたらニホンは魔導師を大量に養成出来る方法があるのかもしれませんわ」

 ピニャとボーゼスはそう話していたが、ヒルダが突然笑いだした。

「何が可笑しいのだヒルデガルド皇女?」

「クックック、日本軍に魔導師なんぞおらん。全て平民で構成されている軍隊だ」

「「ッ!?」」

 ヒルダの言葉にピニャとボーゼスの二人は衝撃を受けた。

「では魔導師はいないと?」

「そうだ。彼等が持つのは杖ではなく、武器だ」

「これが……」

「武器というのですか……」

 二人は伊丹や桑原、倉田らが抱える小銃を見つめる。ピニャは武器ならば普通の兵士でも使えると思い、何とか入手して量産してみようかと思案する。

「それは無意味」

 そこへレレイが口を開いた。レレイは九七式中戦車を指差した。

「『ショウジュウ』の『ショウ』は小さいと意味する言葉。ならば対義の『大きい』に相当する物がある」

「あれが火を噴くというのですか?」

 二人は九七式中戦車の短砲身五七ミリ戦車砲を見る。あんな小さいのが火を噴くというのだろうか?

「まだ直接見た事はない。だけど想定の範囲」

「私は見たがな」

 ヒルダはそう言う。三人の目がヒルダを見つめる。

「私はアルヌスでの戦闘に参加していた。あの車が火を噴くのは見た。あれが火を噴くと十数人の兵士が吹き飛び、直撃した兵士は肉片となり、直撃しなかった兵士は四肢をもぎ取られ死んでいった。我々は三度突撃して三度破れた。三度目は夜襲を敢行したが結果は一緒だ。突撃しても戦死し、立っているだけで戦死する。私は地獄にいるのかと思った程だ」

 ヒルダから語られる言葉にピニャとボーゼスは息を飲む。

「そしてイツキから聞いたが、あのような戦果はイツキ達の世界でも行われているようだ。イタリカでのような戦いをな」

「………」

 ヒルダの言葉にピニ
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