フラワーガーデン
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見た目とか大丈夫?」
「はい。気に入りました!」
「なら、おっけ。じゃ、行くか」
いくら服みたいだからといって、あいつは性能面での手抜きはしないしな。
部屋から出ようとすると、シリカに袖を掴まれる。
「まだ、この装備の料金、払ってないんですけど・・・」
「ん?ああ、別にいいよ。必要経費って事で」
「でも・・」
なかなか真面目だな。というよりは、まだこの世界での純粋な好意にあまり触れていないのか?マスコット代わりにされてるって自分でも言ってたし、感謝よりも先に警戒心が立っちゃうのかな。
「だったら、今度その知り合い教えるから、そいつにその感想でも言ってやってくれ。それだけでいいから」
準備が終わった後、2人でゲート広場に向い、転移門で移動しようとしたのだがそこでシリカが立ち止まった。
「あ・・・。あたし、47層の街の名前、知らないや・・・」
そういえば教えてなかったか?シリカがマップで層の名前を確認しようとしたので、右手を差し出す。
「俺が指定するよ、そっちのほうが早いだろ」
シリカが差し出した腕をおずおずとつかんだのを確認して、
「転移!フローリア!」
一瞬視界が真っ白になった後、エフェクト光が薄れていき視界が戻る。すると、目の前に無数の色彩が走る。
「うわあ・・・!」
隣でシリカが歓声を上げる。目の前には無数の花々で溢れかえり、今が盛りとばかりに咲き誇っている。初めて来た時は、俺もかなり感動した。
「すごい・・・」
「この層は通称《フラワーガーデン》って呼ばれてて、この層全体が花で溢れている。ここのほかにも北の端にある《巨大花の森》とか南西にある《虹の野原》とかも結構綺麗だぞー」
「それはまたのお楽しみにします」
シリカは笑ってから、近くの花壇の前に座り込んだ。SAOでは、《ディチール・フォーカシング・システム》なるものが投入されており、その人が視線を凝らしたものにリアルなグラフィックが見えるようになっている。さっきからじっと花を見ているだけあって、シリカは花自体は好きなのだろう。だが、フラワーガーデンの名は伊達じゃない。この層はすべてが花なのだ。これから先の光景を思い浮かべて心の中で合掌しておく。
すると、シリカがこちらを見てきた。
「ん、どうかした?」
「あ、いえ・・・それよりフィールド行きましょう!」
「いきなりどうした?別にいいけど・・・」
なぜか、最後の方が早口になって言ったシリカが先に歩き出した。それについては、特に深く考えもせずに俺は先に少し早足で歩いていくシリカの後を追った。
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