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IS クロス Zero 〜赤き英雄の英雄伝〜
Mission 5  鈴の音が戦いを告げる
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て相手の裏をかくかが一番の課題だったが、今回は反応速度の方が重要になってくるな。
しかし、相手は代表候補生、集団を背負い『代表』として皆を導く者の『候補生』そして、個人の『専用機』を貰い受けるほどにはISの扱いを鍛錬してきたのだろう。
となると、こと『反応速度』の一点においては俺がディスアドバンテージを負う事になるだろう。
ISはパワードスーツの中でも『搭乗』するタイプではなく、『装着』するタイプだ。
となると『良い反応速度』と『良い駆動機関』は必ずしもイコールにはならない。
この場合『良い反応速度』は着用者の神経伝達の速さ、反射神経そして、それらを伝える速さが要になる。
この神経伝達の速さはどれだけ『それ』を扱ってきたかで変わる。ISにおいてどの要素でも経験の足りていない俺はこの一点では勝てないだろう。

「そんなに気負ってはいけませんわ。しかし、山田先生も言っていた通りわたくしの時とは勝手が違いましてよ?気を抜きすぎてもいけません」

「あぁ、分かっている」

念を押すセシリアに頷き返す。
この日までずっとセシリアの訓練を受けてきたのだ。
初戦敗退などという結果では申し訳が立たないし、何よりそんな結果でセシリアの顔に泥を塗るわけにはいかない。

≪両者、規定の位置まで移動してください≫

アナウンスの声がガレージ内に響く。

「わたくしも、箒さんも、布仏さんも、クラス全員がゼロさんの味方ですわ。決して諦めないでください」

「あぁ…………どんな敵が相手でも叩き斬るだけだ」

いつかの言葉を発し、迷いを切り捨てる。
思考回路を切り替え、ただ、目の前に現れる敵に集中する。
カタパルトが起動し、宙へと放り出される。
セシリアとの訓練中、最も繰り返したであろう空中姿勢制御術を冷静に用い、空中で静止する。

「今辞退すれば、痛い目に遭わなくて済むわよ?」

同じ高度まで上がってきたファンが顔を合わせるなりそう言い放つ。

「辞退など考えてもいない」

「一応言っておくけど、『絶対防御』も完璧じゃないのよ。シールドを突破できる攻撃力があれば相手を殺さない程度にいたぶる事も可能なの」

「わざわざ忠告してくれてありがたいな」

「いまさら怖気づいたぁ?」

「馬鹿を言うな。その殺さない程度とやらを…………受けてみるか?」



Side --- <鈴音>

「馬鹿を言うな。その殺さない程度とやらを…………受けてみるか?」

にやりと、口角を釣り上げながらそう言ったゼロ。
ぞくりと、背筋が震えた。
一瞬私が硬直して、なにも言わなくなったときにタイミングを見計らっていたのかアナウンスの声が響く。

≪それでは、試合を開始してください≫

「ふんっ!後悔したって知ら
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