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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
横浜基地
仲間
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「なら何なのよ!」

「速瀬らしい考えだと思っただけだ」

「やっぱり馬鹿にしてんじゃない!」

 どうやら俺の言葉は速瀬の怒りを鎮めるのは値しなく、速瀬はそのまま俺を上下に揺さぶる。流石に始めてのシミュレーター訓練後で疲れている事もあるので、これ以上揺さぶられると結構きつい。なので俺の胸倉を掴んでいる速瀬の腕を掴み、少し無理やりにでも押さえ込む。
 
 しかしそれでも止めようとしない速瀬。これ以上はまずい…!遂に限界が迫った来た為になりふり構わず、あまり言いたくなかった言葉を言う事にした。

「お前の事は馬鹿にしてない。寧ろその逆でお前には本当に感謝してるんだ。俺の考えが間違ってた事を気づかせてくれたんだから」

「ッ!」

 嘘ではない事を信じてもらうためにも速瀬の目を真っ直ぐ見ながら、そう言った。

 すると速瀬は顔を少し赤く染めると俺の胸倉を掴んでいた手を離すと、俺から距離を取り、交わっていた視線を外した。

「わ、分かってるなら…いいのよ」

 小さな呟きだった為に聞き逃しそうになるが、どうにか聞き取る事が出来た。

「と、とりあえず!今度からは一人で抱え込まない事!分かったわね!?」

「あ、ああ」

「私はもう帰る!最悪な気分だわ!」

 速瀬はそう口に出しながら俺に背中を向け、部屋がある方に歩き始めた。

「速瀬!」

 そんな速瀬を呼び止めるかのように俺は大声を出す。いきなり大声で声を掛けられた速瀬は肩を震わせ一瞬だけ歩みと止めるが、それも一瞬の事で再び歩き出す。

 俺はそれに構わず、言葉を続けた。

「今日は助かった!有難う!」

 自分でも柄にない事を言っているのは重々承知だ。だが、こんな気持ちにしてくれたのは、他ならない速瀬なのだ。

 そして、そんな俺の最後の言葉を聞いた速瀬は手を挙げる形で答え、そのまま曲がり角を曲がり見えなくなった。

 …本当に感謝している。俺が間違えていたよ。

 仲間…か。今まで感じた事のない存在だったが…悪くない。

 
 
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