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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
第8話 虎に挑戦数秒前ですよ?
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門の内は木が複雑に絡み合っていて薄暗い。

「まずいな。何ともガルド好みの状況じゃねえか」

虎は鬱蒼とした木々を隠れ蓑に、獲物に奇襲をかける。
いきなり奇襲をかけてくることはない、とは否定できない
すると

「大丈夫。近くには誰もいない。匂いで分かる」

耀が目をつぶりながら言う

「犬にも友達が?」

「うん、20匹くらい」

耀のギフトは獣の友人を作れば作るほど強くなる
嗅覚や聴覚などの五感では十六夜を越えるだろう

「そうだな。春日部、ガルドの位置、分かるか?」

この場にいる全員の中で一番策的能力が高いのは耀である
今は耀の人間離れした嗅覚、聴覚に頼るほか無い

「もう見つけてる」

耀は目の前の洋館を指差す

「館までが木に飲み込まれてるのか」

修也の言うとおりだった
虎の紋様を施した扉は無残に取り払われ、窓ガラスは砕かれるなど、豪奢な外観は塗装もろともツタに蝕まれて剥ぎ取られていた。

「中の位置も分かるか?」

修也の質問に耀は首をふって答える

「そうか。じゃあこいつの出番だな。行くぞヴォルザ。サーチャー5つ、館の中に」

《了解、マスター》

修也の右手首に付けている金属性の腕輪が喋り、修也の周りに青色の球体が5つ出現し、屋敷の方へと向かっていった

「ヤツは2階にいる」

「本当?」

「本当だ。行くぞ」

耀が訊き、それに修也は断言し、先行した

本館の内装はいっそう酷い有様だった。
四人は舞台への疑問を強める。

「本当に、このゲームはガルドによるもの?」

「わかりません。舞台の設置は代理を頼むこともできますから」

「代理といっても、ここまで罠の一つもなかったわよ?」

飛鳥の言葉に修也は口を開く

「おそらく、これが目的だろう」

「どう言う事」

「さっきみたいに警戒をさせておいて俺たちの精神力を削るのが目的だろう」

「ってことは私達はガルドの思惑通りに動いてたってこと?」

耀が訊き、修也はそのとおりだと頷く

「ここだ」

修也たちの目の前にはひときわ大きい扉の前に着いた

「一つだけ言っておく。奴は…」

バタン

と言う音と共に扉が開いた
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