―修学旅行 中編―
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「ふう……」
修学旅行先のこの場所でも、デュエル・アカデミアの三寮の格差は健在であり、オベリスク・ブルー……今はホワイト寮とでも言うべき存在になっているが……は高層ホテル、ラー・イエローは和風の旅館、オシリス・レッドは武藤遊戯が初めて《オシリスの天空竜》と戦ったところで野営だそうだ。
俺も三沢も光の結社に占領されたオベリスク・ブルー寮の高層ホテルに行くことは出来ず、ラー・イエローの旅館に身を寄せていた。
快く迎えてくれた樺山先生には悪いが、今はオベリスク・ブルーである俺たちがデカい顔をして居座るのは如何なものかと思ったため、三沢は部屋の中へ、俺は旅館の縁側で静かに座っていた。
あのデュエルの後、二人で剣山と翔を町中を探したものだが見つからず、やはりあの斉王美寿知に捕まってしまったというのが一番可能性が高かった。
あの二人のアニキたる十代の所へ連絡してみると、どうやら十代の方も剣山と翔がいきなりいなくなったことに気づいて捜している所に、氷丸という人物から『翔と剣山の命が惜しいなら、明日に海原ランドに来るように』という俺たちと同じ伝言を受け取ったらしい。
斉王美寿知が何を狙っているのかは知らないが、明日、要求通りに行ってみれば解るだろう……海馬ランドへ。
「いやぁ、悪いねぇ遊矢くん。ここに泊めてもらって」
……ああそうそう、俺と三沢で剣山と翔を捜している時、倒れている吹雪さんのことを発見した為に俺たちの宿泊場所である、ラー・イエローの旅館に運んできていたのだ。
「まさか、一人で光の結社の宿泊場所に乗り込むとは思いませんでしたよ……」
気づいた後に何で倒れていたのかと聞いたところ、何でも明日香に会いに光の結社の本部に乗り込んだものの、明日香ファンの構成員にやられたんだとか……
「チッチッ。僕は妹に会いに行っただけだよ義弟よ!」
「弟じゃないですって」
しかし、光の結社に洗脳された明日香に会いにいくなんて俺には出来そうもない……恐くて。
それでも明日香を元に戻そうと、自らの危険を鑑みずに光の結社に何度となく乗り込んでいる吹雪さんのことは、俺は素直に尊敬していた。
「また明日も、愛しのアスリンのところへ行ってみるさ」
吹雪さんのお気に入りらしいウクレレから、夜の和風の旅館というロケーションには全く似合わない音が響くと同時に、近くの草むらがガサガサと動いた。
「誰だ!?」
俺が縁側から立ち上がって叫ぶと、草むらから息も絶え絶えと言った様子の男性が現れ、背後をチラチラと確認した後に俺の顔を見て指を刺しながら驚き始めた。
「お前は……黒崎遊矢だな! 俺の名は氷丸! 俺とデュエルしてもらおう!」
ニット帽にコート姿の青年が、いきなりデュエルデ
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