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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十六話 死者の晩餐
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den ist, das muβ vergehen. )』

『「―――滅び去ったものは よみがえらねばならない (Was vergangen, auferstehen! )―――」』

ラインハルトが声を上げ、それに追随する屍の使者達。

『震えおののくのをやめよ (Hor auf zu beben! )』

『「―――生きるため 汝自身を用意せよ (Bereite dich zu leben! )―――」』

『おお 苦しみよ 汝は全てに滲み通る (O Schmerz! du Alldurchdringer! )』

『「―――おお 死よ 全ての征服者であった汝から 今こそ私は逃れ出る (Dir bin, o Tod! du Allbezwinger, ich entrungen! )―――」』

もう止まらないのか。先輩を救うことは出来ないのか。そう思いながらもきっと救ってみせると考える自分がここにいる。

『祝えよ 今こそ汝が征服されるときなのだ (Nun bist du bezwngen! )』

地獄への開闢の時を迎え、ラインハルトは謳い上げる。

流出 (Atziluth―――)
―――壺中聖櫃 (Heilige Arche――)

頭の中でまるで自分のようで、しかし全くの別人である奴の声が聞こえる。

『不死創造する (Goldene Eihwas )』

『「生贄祭壇 (Swastika )―――」』

俺は止めることなど当然出来ず、今ここにラインハルトの最悪の流出は完成した。




******



アルフレートは力尽きたのかその場に倒れこむ。その様子を見て満足気に勝利に酔うカリグラとその美貌を蒼白にしながら泣き顔を見せ駆け寄るパシアス。その様子は対照的であり、事実互いに相反する感情を持つことが分かる。そしてカリグラはもう此処に用は無いといった様子で立ち去る。
片や行き過ぎた愛情を彼に曝け出していた、そしてもう一方は抑え切れぬ憎しみを内に秘めていた。だが、それは彼にとって必然でしかないのだろう。斃れ臥したアルフレートの五感は既に停止し始めている。既に視覚と触覚は失っており、直に残りの感覚器官も機能を停止することは明らかだった。

「パシアス、そこに居るか?」

ハッとした様子でアルフレートを覗き込むパシアス。

「ええ、ええ、私は此処に居るわ。私を置いていかないでアルフレート。貴方が死んでしまうなんて嘘でしょう?」

涙声で縋る様に言葉を続けるがアルフレートは別段何も感じていない。強いて言うなら鬱陶しいといった感情が沸き立つぐらいだった。それでも現状の自身を把握している以上使える戦力は無駄に出来ないと思いパシアスに呼びかけた。

「パシ
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