第一部
もう直ぐ
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「・・・いい沙穂ちゃん?あの神様にはああ言ったけど、もし、命を落としそうになったら、迷わず横槍入れるからね?」
「でも・・・。」
「でもじゃない。コレは決定事項。マリアクレセルには、『もう二度と誰かを生き返らせるなんてしません。いいですか?二度とやりません。』って言われてるし、ドクターやリッチだって、『カンピオーネの蘇生は、権能以外では不可能』だって言ってたじゃない。私たちは、誰も死者を生き返らせるような権能を持っていない。死んだらそれまでなんだよ?」
「はい・・・。」
珍しく真面目な鈴蘭に、気圧される沙穂。周囲も、久しく見ていなかった鈴蘭の真面目モードに、目を丸くしていた。
「一対一だったら兎も角、三対一は、いくら沙穂ちゃんでも分が悪いでしょ?神様との戦闘は、どんな時でも気を抜いたらいけないんだから。沙穂ちゃんが戦いたそうにしてたから譲歩したけど、これ以上は譲歩出来ないよ。」
鈴蘭は後ろで話を聞いていた翔希に向かって
「先輩。お願いします。もし、沙穂ちゃんが負ける未来が見えたら、合図を下さい。助太刀に入ります。」
「・・・・・・十秒。コレが、戦闘状態において、ほぼ百%で的中する時間だ。これ以上は、未だ権能を掌握しきれていないから精度が下がる。」
しばし考えて答えた翔希。
「十分です。十秒あればお釣りが来ます。睡蓮、いいね?合図があったら私と突撃するよ。」
「・・・。」
コクンと頷く睡蓮。異存はないようだ。
「ま、あくまで保険だから。命の危機が訪れないレベルなら、どんな状況になろうと手は出さない。好きにやるといいよ。」
「・・・了解であります!」
(・・・凄い、ですね。本当に、この方たちの手綱を握っているなんて・・・)
アリスは、この光景を見てただただ驚いていた。彼女たち裏の人間にとって、カンピオーネとは『王』である。何者にも縛られず、ただその力を己の欲棒の為に使い、その代わりに民をまつろわぬ神から守ってくれる『暴君』。百年近く引き篭っているアイーシャ夫人は兎も角、ヴォバン侯爵、羅濠教主、サルバトーレ・ドニ、そして、彼女の宿敵であるアレクサンドル・ガスコイン。アメリカのジョン・プルートー・スミスは比較的マトモな性格であるが、かの御仁は例外である。
カンピオーネとは基本的に、人類最悪の人格破綻者である。カンピオーネとなったからそんな性格になるのか、それとも、そんな人物だからカンピオーネへと新生出来たのかは不明であるが。
【賢人議会】という、世界中の神秘を研究する魔術結社の頂点に立った事もある彼女だからこそ分かる。この四人は異常だと。
(いいえ、彼らが異常なんじゃない。|彼女が《・
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