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SAO編−白百合の刃−
SAO32-白百合の決意、雪音の勇気
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と一緒に前線へ戻るべきなんだけど……」
「いいよ」
「え……」
「まだ、戻るのは恐いんでしょ? だったら恐くなくなるまで私が一緒にいるよ」

 ……敵わない。

「独りより二人以上が側にいた方が、良いのは私も知っているから、さ。無理に前に進もうとしなくてもいいんだよ」

 とてもじゃないが、適わない。
 貴女の優しさには、どんなに強く偽装しても、いくら手を振り払おうと、否定しようとしても…………敵わない。
 それと同時に、私が一番欲しがっているもの。
 
「キリカ……ごめんなさい」
「そうやって、泣く時は我慢しなくて泣いてもいいんだから」

 ごめんなさい。
 まだ、貴女に言えないことがある。でも、それは……私がその人に最初に言わなければいけないことだから、まだ貴女には言えない。

 それでも、そんな自分を優しくしてくれて。

「ありがとう」
「……うん」

 返事をすると、キリカは優しく頭を撫でてくれた。少々恥ずかしいけど、受け入れたいものだから拒む必要はない。
 怖くなっても大丈夫。支えてくれる人がいるから。
 
 結弦さん。
 貴女のプレゼントは、萱場晶彦によって最悪なものにしてしまったけど、おかげで大切な人と出会うことができました。
 ありがとうございます、結弦さん。
 必ず、恩返しをするために無事に帰ってきますから。
 だからそれまで、待っていてください。
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